オーデマピゲのロイヤルオークというと、初代モデルの5402の時代と比較して、その後のモデルはずいぶん変わったという印象があります。
例えば、2000年前後の第一次腕時計ブームの時期において、現行モデルとして販売されていた14790STは、バーインデックスが短めですし、さらに60までの表記も存在します。
初代モデルは、それと比べてバーインデックスが細く長く、全体的にシンプルでエレガントな印象があります。
ただ、オーデマピゲの場合、そういった通常モデルに対して、特別なモデルをラインナップするという傾向があります。
それが、リファレンス末尾が「2」のモデルなのですが、14790STが現行ロイヤルオークという印象の時期においても、実は存在していました。
現行モデルの末尾が「2」のモデルは、現在エクストラシンとして有名な15202STなのですが、15202ST自体がデビューしたのは2001年頃のこと。
15202STは、なんとなく2000年代後半に登場したというイメージがありますが、実はロレックスが5桁リファレンスだった時代から存在しているのです。
そんな15202STには“2つ”のモデルがあるのですが、1つは「ジャンボ」で、もう一つがこの「エクストラシン」というモデルです。
両者は同じ型番で、搭載するムーブメントもJLC920ベースのキャリバー2121。
また、「エクストラシン」は「ジャンボ」の後継モデルという見方ができます。
しかし、「エクストラシン」には「ジャンボ」と大きな違いが存在。
それが、初代5402の復刻版的キャラクターという点です。
先のように末尾が「2」のロイヤルオークは、初代5402の直系モデルという扱いなのですが、時代に応じてデザインが若干変化しています。
それに対して、「エクストラシン」は5402の復刻版といえるぐらい、5402STのデザインを忠実に再現。
APロゴの位置や、青文字盤のみの展開、細いバーインデックスなどまさに、ジェラルド・ジェンタ氏の意図に忠実といえる内容だと感じます。
そんなエクストラシンは、3針ロイヤルオークの中で特に高いという存在で、2012年のデビュー以降、同じ年式の15400などと比較して100万円以上高いということが当たり前な存在でした。
ロイヤルオークは、元祖雲上スポーツという存在で、人気も知名度も高い存在ですが、ラインナップが多く複雑なため、近年まで大きな値動きがしづらいという傾向がありました。
それが最近、ロイヤルオークの3針モデルは目立った値動きとなっており、90年代モデルの15000STでも、現行世代に相当する15300STも、現行モデルの15400STも中古が値上がり傾向となっているのです。
特に15400STは2016年において中古が120万円台だったのが、現在では180万円台。
この2年ほどの間において、なかなかの値動きといえます。
では、以前から高値となっている「エクストラシン」はどうかというと、こちらも同じく、最近値上がり傾向。
現在、中古が400万円台となっており、2年前の新品実勢価格よりずいぶん高い状況となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年7月 の新品実勢価格(2社平均) |
2018年7月 の中古(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オーデマピゲ
ロイヤルオーク エクストラシン 21240ST.01 |
新品 | 2年 0ヶ月 |
¥3,164,000 | ¥4,068,350 | 904,350 | 128.58% |
エクストラシンは、流通数が少ないため、人気モデルでありながら相場観を掴むのが難しいという傾向があります。
今年の1月頃まで中古が260万円台という水準だったのですが、長らくその価格帯だったと思います。
それが2月に300万円台となり、7月の現在では400万円台となっているのです。