腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

ついに500万円台へ、ノーチラス3710/1A

2018年7月9日更新
パテックフィリップのノーチラス3710/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年1月の安値(楽天)と2018年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この0年6ヶ月での変動は¥1,081,600だった。

ノーチラス 3710/1Aについての考察(2018年7月)

ノーチラスのジャンボサイズといえば、初代の3700や、現行モデルの5711という印象がありますが、90年代にもジャンボサイズが存在していました。

それこそ、特殊な機構のパワーリザーブインジケーターを備えた3710/1Aという存在なのですが、2000年前後という時期において最も入手しやすいノーチラスという印象もあった存在です。

当時のノーチラス3800/1Aがメインという印象だったのですが、正規店でも並行店でも取扱いが少なく、特に青文字盤はレアな存在でした。

ただ、当時において青文字盤は「レア」というより、人気がないから取り扱っていないという様子で、たまに中古の個体が登場しても特に高いというわけではありません。

それに対して3710/1Aは、平行輸入品が新品90万円前後で売られていることが珍しくなく、ノーチラスの中では「売れ筋」といった側面もあったのです。

ちなみに、筆者はその時期この3710/1Aを新品約90万円で入手したのですが、3800/1Aと迷うということはなく、ジャンボサイズが良いという理由で3710/1Aを選びました。

3710/1Aよりも、3800/1Aが安かったならば迷ったかもしれませんが、3800/1Aは先のようにあまり売り出し数もなく、価格も3710/1Aと同水準だったのです。

3710/1Aを購入する前は、青文字盤のノーチラスに対して特に興味がなかった筆者ですが、購入後は青文字盤がとても魅力的に思ってきました。ただ、当時の青文字盤にはジャンボサイズが無かったため、「ジャンボ+青文字盤」があれば良いのにと思っていたところ、その後WGの3711/1Gが登場したため、夢のような組み合わせと感じた記憶があります。

そしてその後、ノーチラスのメインモデルは「青文字盤+ジャンボ」の5711/1Aとなり今に至るわけですが、その5711/1Aは今や中古が500万円台という水準になっています。

先日の記事で、年次カレンダーノーチラスを取り上げましたが、現在、3針青文字盤より年次カレンダーノーチラスのほうが安い状況。つまり、青文字盤のジャンボ3針はとても人気が高いといえます。

また、同じコンプリケーションでも、ノーチラス5712/1Aはかつて年次カレンダーより安かったのですが、今となっては年次カレンダーより高くなっています。

5711/1A5712/1Aに共通するのは「青文字盤」が採用されているという点ですから、ノーチラスにとって青文字盤という要素は重要だと感じます。

この3710/1Aには、青文字盤が採用されておらず、ノーチラスとしては逆に珍しい「黒文字盤+ローマンインデックス」文字盤となっています。

ただ、この3710/1Aには、青文字盤という要素以外にとても濃いポイントが多々存在(3710/1Aの濃い要素については以前の記事を参照ください)。

それら要素は、世界中で評価されている模様で、インスタグラムを見ていても、コレクターがこの3710/1Aを複数本所有する様子が見られます。

そんな3710/1Aは、今年の初頭において、400万円台前半という水準だったのですが、その水準でも過去と比較して十分評価されているという印象でした。

しかし、それから約半年経った今、なんと3710/1Aは更に100万円以上値上がりし、なんと500万円台となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年1月
の安値(楽天)
2018年7月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
3710/1A
中古 0年
6ヶ月
¥4,298,400 ¥5,380,000 1,081,600 125.16%

かつて90万円程度で新品が購入可能だった3710/1Aが高くなり始めたのは、2004年頃からですが、2007年の時点で300万円近い水準に達していました。

その後、リーマンショックの影響により相場は下落したのですが、それでも190万円程度にとどまっており、かつての価格に戻ることはありませんでした。

そして、アベノミクス以降、再度300万円程度となったのですが、それ以降、値動きは停滞した様子がありました。

再度変化の兆しがあったのは、今年2018年のことなのですが、その際に約140万円の値上がりとなり、400万円台に到達したのです。

3710/1Aは先のように2007年頃など、以前にも高い水準だった時期がありますが、400万円台という水準はおそらくはじめてのことだと思います。

そして400万円台という水準になって、「驚いた」と思っていたつかの間に、さらに100万円程度の値上がりとなり、2018年7月現在では500万円台となっているのです。

現在、異なる2つの店舗が3710/1Aを販売していますが、いずれも500万円台となっています。

「高くなったと思っても、再度高くなった」ということは、ノーチラス5711/1AロレックスのSSスポーツモデルにもある現象ですが、この3710にもそれが十分該当するといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。