ロレックスのデイトナといえば、ポールニューマンという人物が思い浮かびますが、タグホイヤーのモナコにおいてのそれは、スティーブマックイーンとなります。
そして、そのスティーブマックイーンが着用していたモナコこそ、青文字盤という存在であり、それはモナコのアイデンティティの1つとも言えるかもしれません。
モナコは、1969年という時代から存在しているものの、一時シリーズが廃止。復活したのは1997年のことなのですが、その際デビューしたCS2110は特殊なモデルという位置づけで、5000本の限定数が設けられていました。
その際登場したモナコは、クラシカルな雰囲気を重視した存在だったのですが、青文字盤の採用はなく、黒文字盤のみの展開。
その後モナコはレギュラーモデルとしてラインナップの目立つ位置に展開されていくのですが、青文字盤が登場したのは、97年の復活から6年後の2003年のことなのです。
そしてそれが、このCW2113という存在です。
90年代以降のモナコにおいて青文字盤という存在は多々あるように感じますが、その最初を飾ったのがこのCW2113であるのです。
97年に登場した5000本限定のCS2110モナコは長らく、10万円台という相場だった一方、このCW2113は2010年という腕時計が全体的に安い時期でも20万円台をキープ。
そこから今にかけて値上がりとなっているもの、その上昇額は5万円といった水準です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年12月 の安値(ヤフオク) |
2018年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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タグホイヤー
モナコ 革ベルト CW2113 |
中古 | 7年 7ヶ月 |
¥238,000 | ¥288,000 | 50,000 | 121.01% |
近頃、CS2110は目立った値動きという印象で、過去と比較して高くなったと感じましたが、実はこのCW2113と同水準であるのです。
CW2113は、過去の価格を考慮すると「それほど高くない」と感じる一方、CS2110は「高い」と感じるのは不思議です。
数の少なさもキャラクター性を考慮しても、CS2110のほうが高くなっておかしくないと思う一方で、CW2113が「高くない」、CS2110が「高い」という感覚があり、不思議な気分になります。おそらくその感覚は、過去価格と比較した場合の「値動き幅」によるものだと思います。
タグホイヤーロゴ時代のモナコをチュードルのクロノタイムやオメガスピードマスターのライバルとした場合、CW2113は大きく値動きしていないため「安く」感じるのかもしれません。
復刻版時代のモナコは、ホイヤーロゴが象徴するように、“クラシカルな要素を近代に復活させる”というように見えます。
その一方で、このCW2113のようにタグホイヤーロゴ時代のモナコは“近代的な時計にクラシカルさを足した”という印象があります。
復刻版時代はマニアックな印象だったモナコですが、2002年以降においては万人受けするモデルというキャラクター性を得たように感じます。
2005年にはブレスレット仕様も追加され、より実用性が高まりました。その後2010年には、キャリバー12のCAW2111にモデルチェンジ。
そして、現在では再度ホイヤーロゴのキャリバー11搭載モデルが存在しており、復刻版時代のモナコのイメージに近くなってきているように感じます。