1995年にデビューしたパシャCは、2016年頃に生産終了となりました。
その約20年という期間においてラインナップされていたパシャCは、大きく3つの世代に分類でき、それぞれの特徴を掴むことで、中古をより楽しむことができるかと思います。
パシャCの世代を分かりやすく分類すると、「初期世代」、「腕時計ブーム世代」、「最終世代」という3つになります。
初期世代
「初期世代」は95年頃に製造された世代で、パシャCにおいて印象深い「アラビア数字」が採用されていないという特徴があります。文字盤は、紺と銀などがあり、どちらもシンプルな印象となっています。この世代は、数が少ない傾向がありますが、特に大きく評価されるという傾向は無いように感じます。
腕時計ブーム世代
96年頃から2000年代前半に製造された世代が「腕時計ブーム世代」と分類できます。この世代の特徴は、男性用として認識されていたという点で、かなり人気が高かったように感じる世代です。当時は、20万円台後半という新品実勢価格だったのですが、ロレックスエアキングやサブマリーナノンデイトなどと比較対象だったといえます。そして、その比較においてパシャCを選ぶという方が多かったように感じ、中古の個体数が多い傾向もあります。
最終世代
2005年前後の時期から、パシャCは女性向けのシリーズという印象が強くなったといえます。もちろん、この世代を愛用している男性の方もいらっしゃるでしょうが、あくまでパシャCの立ち位置が、以前よりも女性寄りになったということです。実際、2006年には男性用のカジュアル版という存在である「パシャシータイマー」がデビューしていますが、以前はこのポジションにパシャCがあったといえます。そして、この時代のパシャCは、お店でも「女性用」という扱いで売られている様子が目立ちます。
そして女性寄りとなった世代には2つの年式があるのですが、古い年式がビッグデイトで、最終世代となった年式がスモールデイトとなっています。
パシャCは95年のデビューから99年までスモールデイトでしたが、2000年に白文字盤がビッグデイト化され、その後はメリディアンまでビッグデイト化されました。
それが最終世代では、再度スモールデイト化されたため、やや複雑な印象を伴います。
そしてそのスモールデイト化されたパシャCには、2つのポイントが存在します。
1つは定価が以前よりも高かったという点。1999年においてパシャCの国内定価は39.5万円(税別)という水準でしたが、2015年の定価は約68万円(税込)となっています。
「腕時計ブーム世代」のパシャCは、リーマンショック以降において10万円台前半という水準となっていましたが、アベノミクス以降も大きく値上がりすることなく、2015年頃においても10万円台前半という水準でした。それが最終世代のパシャCは2015年において、中古が20万円以上という水準だったのです。
もう一つのポイントは、スモールデイトの形状なのですが、「腕時計ブーム世代」までのスモールデイトは、文字盤のアラビア数字と同様、目線に向かって傾きがなく表示されていました。それが、最終世代では円に沿ったデイト表示となっており、傾いて見えるという特徴があります。また、「腕時計ブーム世代」までは拡大鏡がありましたが、それが廃止されています。
そんなパシャCの最終世代ですが、2015年から約3年経った今、どのような値動きとなっているのかというと、値下がり傾向となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年6月 の安値(ヤフオク) |
2018年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャC W31074M7 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥218,000 | ¥169,290 | -48,710 | 77.66% |
ちなみに、現在このパシャC W31074M7にはこの個体より安いモノが存在しますが、それらはBランクなどとなっています。
そして、程度の良い個体をもってしても2015年水準に達することはなく、かつての20万円台前半から、10万円台半ばまで下落している様子があるといえるのです。
これは、現在における、腕時計ブーム世代のメリディアンや青文字盤と近い水準といえるのですが、定価が高く、年式も新しい最終世代を選ぶか、人気が高かった時代のモデルを選ぶかは判断が分かれるところでしょう。
定価や最終世代いう観点、さらに過去と比較して値下がりしているという観点では、最終世代のパシャCにお得感があるともいえるかと思います。