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現在相場考察

程度の良い個体の条件、ブルガリアルミニウムAL38TA

2018年7月30日更新
ブルガリのアルミニウムAL38TAについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2014年2月の安値(ヤフオク)と2018年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この4年5ヶ月での変動は¥42,000だった。

アルミニウム 程度良好 夜光有り文字盤 AL38TAについての考察(2018年7月)

ブルガリアルミニウムは、エントリーグレードにおけるスポーツモデルとして1998年に登場しました。

ブルガリは宝飾ブランドというラグジュアリーブランドですから、スポーツモデルという存在はロレックススポーツのように“上級”という要素があるように感じます。

そのような文脈において、エントリーグレードのスポーツモデルという存在は珍しく、当時としても現在においてもあまりないといえるでしょう。

また、「アルミ」という素材を採用し、エントリーらしさをあえて演出したという点も、良いポイントだったと思います。

このようなことから、1998年の段階でブルガリアルミニウムという時計はとても話題性が高く、実際イタリアのブルガリ正規店でも38mmが売り切れ状態となっていました。

しかし、そんなアルミニウムという存在も2000年代前半となると中古が5万円程度で手に入る状況となり、それ以降は現在までそのような水準が続いています。

とはいえ、アルミニウムには変化がないわけではありません。

それは、5万円で購入可能なモノが多い一方、程度の良いモノはもう少し高い価格帯となっているという点です。

高級腕時計の場合、ボトム価格に位置するモノでも程度が悪いということはあまり見受けられません。ただ、アルミニウムの場合は、その構造から程度が悪くなりやすのです。

そういった点は、前にもお伝えしましたが、最近は以前にも増して程度の良いアルミニウムの数が減っている様子があります。

アルミニウムの綺麗な個体の条件としては、

  • ケースに凹みがない
  • ケースが黒ずんでいない
  • ラバーベルトが傷んでいない
  • ラバーベゼルにテカリがない
  • となりますが、そういった個体は減っています。

    アルミニウムは、その名の通りアルミのケースですから、ぶつけると凹みやすく変色もしやすいのです。MacbookProをお使いの方はお分かりだと思いますが、アルミは擦れると黒く変色します。

    それらはステンレスのように研磨で綺麗にするということも困難であるため、アルミニウムを綺麗にしようと思ったら、ケース交換といったようにパーツごと交換するしかありません。

    そして、それら交換費用はおそらくなかなか高い水準だと推測できます。

    ですから、アルミニウム5万円前後で購入可能とはいえ、程度の良い個体に限っては値上がり傾向となっていても不思議ではないのです。

    そして今回、時間をかけて同じ条件のモノを称号した結果、やはり程度の良いアルミニウムは値上がりしているといえる様子です。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2014年2月
    の安値(ヤフオク)
    2018年7月
    の安値(楽天)
    変動額 残価率
    ブルガリ
    アルミニウム
    程度良好
    夜光有り文字盤
    AL38TA
    中古 4年
    5ヶ月
    ¥71,400 ¥113,400 42,000 158.82%

    アルミニウムの38mmには3つの世代が存在するのですが、

  • AL38A(98年に登場)
  • AL38TA(2000年頃に裏蓋が変更)
  • AL38TA(2002年頃に発光塗料が追加)
  • となり、AL38TAには2種類が存在します(黒文字盤等を除く)。

    それらアルミニウムの中で発光塗料付きの後期版が比較的高い傾向があります。

    実際、今より程度の良い個体がまだ多かった2014年頃においても、この後期AL38TA7万円台となっており、5万円前後で購入可能でなかった様子があります。

    そして、程度の良いアルミニウムは2016年頃から値上がり傾向の様子があり、後期AL38Aは2017年の段階で9.8万円。ちなみにAL38A(程度良い)も2016年の段階で約7.9万円となっていました。

    後期AL38TAの“程度の良い個体”は、2014年に約7.1万円、2017年に9.8万円、2018年に約11.3万円となっており、まさに年々高くなっていることが分かります。

    アルミニウムという時計は、他の高級腕時計とは異なる事情があるため、値動きを見極めるのは難しい部分がありますが、きちんと整理すると、程度の良い個体に限っては値上がり傾向といえるのです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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