ブルガリのアルミニウムは、エントリーグレードにおけるスポーツモデルとして1998年に登場しました。
ブルガリは宝飾ブランドというラグジュアリーブランドですから、スポーツモデルという存在はロレックスのスポーツのように“上級”という要素があるように感じます。
そのような文脈において、エントリーグレードのスポーツモデルという存在は珍しく、当時としても現在においてもあまりないといえるでしょう。
また、「アルミ」という素材を採用し、エントリーらしさをあえて演出したという点も、良いポイントだったと思います。
このようなことから、1998年の段階でブルガリアルミニウムという時計はとても話題性が高く、実際イタリアのブルガリ正規店でも38mmが売り切れ状態となっていました。
しかし、そんなアルミニウムという存在も2000年代前半となると中古が5万円程度で手に入る状況となり、それ以降は現在までそのような水準が続いています。
とはいえ、アルミニウムには変化がないわけではありません。
それは、5万円で購入可能なモノが多い一方、程度の良いモノはもう少し高い価格帯となっているという点です。
高級腕時計の場合、ボトム価格に位置するモノでも程度が悪いということはあまり見受けられません。ただ、アルミニウムの場合は、その構造から程度が悪くなりやすのです。
そういった点は、前にもお伝えしましたが、最近は以前にも増して程度の良いアルミニウムの数が減っている様子があります。
アルミニウムの綺麗な個体の条件としては、
となりますが、そういった個体は減っています。
アルミニウムは、その名の通りアルミのケースですから、ぶつけると凹みやすく変色もしやすいのです。MacbookProをお使いの方はお分かりだと思いますが、アルミは擦れると黒く変色します。
それらはステンレスのように研磨で綺麗にするということも困難であるため、アルミニウムを綺麗にしようと思ったら、ケース交換といったようにパーツごと交換するしかありません。
そして、それら交換費用はおそらくなかなか高い水準だと推測できます。
ですから、アルミニウムは5万円前後で購入可能とはいえ、程度の良い個体に限っては値上がり傾向となっていても不思議ではないのです。
そして今回、時間をかけて同じ条件のモノを称号した結果、やはり程度の良いアルミニウムは値上がりしているといえる様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2014年2月 の安値(ヤフオク) |
2018年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
アルミニウム 程度良好 夜光有り文字盤 AL38TA |
中古 | 4年 5ヶ月 |
¥71,400 | ¥113,400 | 42,000 | 158.82% |
アルミニウムの38mmには3つの世代が存在するのですが、
となり、AL38TAには2種類が存在します(黒文字盤等を除く)。
それらアルミニウムの中で発光塗料付きの後期版が比較的高い傾向があります。
実際、今より程度の良い個体がまだ多かった2014年頃においても、この後期AL38TAは7万円台となっており、5万円前後で購入可能でなかった様子があります。
そして、程度の良いアルミニウムは2016年頃から値上がり傾向の様子があり、後期AL38Aは2017年の段階で9.8万円。ちなみにAL38A(程度良い)も2016年の段階で約7.9万円となっていました。
後期AL38TAの“程度の良い個体”は、2014年に約7.1万円、2017年に9.8万円、2018年に約11.3万円となっており、まさに年々高くなっていることが分かります。
アルミニウムという時計は、他の高級腕時計とは異なる事情があるため、値動きを見極めるのは難しい部分がありますが、きちんと整理すると、程度の良い個体に限っては値上がり傾向といえるのです。