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現在相場考察

マーレノストゥルムという存在、パネライPAM00006

2018年8月1日更新
オフィチーネパネライのPAM00006について斉藤由貴生が執筆。本記事では2008年11月の安値(ヤフオク)と2018年8月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この9年9ヶ月での変動は¥648,000だった。

マーレノストゥルム PAM00006についての考察(2018年8月)

パネライは1997年にリシュモングループ入りしましたが、それ以前に生産されたモノは「プレヴァンドーム」と呼ばれています。

また、パネライの生産年は、毎年アルファベットが更新されていますが、その最初であるA番は98年からとなっていることから、97年のパネライは「プレA」と呼ばれています。

そしてそれら、プレヴァンドームとプレA世代のパネライは、2000年代前半から特に評価が高くなっており、それが現在まで続いている傾向です。

この世代のパネライは、ロレックスでいう4桁世代のスポーツモデルに似たキャラクターであるといえ、

  • 現行時代に人気が特に高くなく
  • 流通量も少なめで
  • 近代的なモデルと雰囲気が異なる
  • という点が共通しているといえるでしょう。

    そんなプレヴァンドーム時代のパネライには、2種類のシリーズが展開されていたのですが、1つはルミノール系で、ルミノールベースの初期モデルといえるモノも存在します。

    そして、もう一つの存在がマーレノストゥルムというシリーズなのですが、これは文字盤のアラビア数字以外においては、かなりパネライらしくないといえるモデルでしょう。

    このモデルは、プレヴァンドーム時代には、5218-301/Aという型番で存在しており、プレAとA番の時代にはPAM00006として存在していました。

    A番をもって生産終了となっているため、2002年以降のパネライブームの時代からは幻のモデルというような扱いとなり、評価される傾向となりましたが、元々はそこまで人気が高いとはいえませんでした。

    ただ、2000年代前半から評価されて以降は、特に安くなるということはなく、リーマンショック後に多くの腕時計が安くなった時代においても、100万円以上という水準となっていたのです。

    そして、それから10年近く経った今、PAM00006はどのような様子となっているかというと、2008年と比較して60万円以上値上がりしている模様です。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2008年11月
    の安値(ヤフオク)
    2018年8月
    の安値(楽天)
    変動額 残価率
    オフィチーネパネライ
    マーレノストゥルム
    PAM00006
    中古 9年
    9ヶ月
    ¥1,050,000 ¥1,698,000 648,000 161.71%

    マーレノストゥルムは、2017年に復刻モデルとしてPAM00716がデビューしましたが、その元がこのPAM00006といえるかと思います。

    PAM00006は、93年に登場した5218-301/Aの後のモデルで97年に登場していますが、これはルミノールベース同様、リシュモングループ入り後の小変更といったところでしょう。

    マーレノストゥルムは、その時代において人気モデルとなっていたならば、1つのシリーズとして今も存在していたと思います。プレヴァンドーム時代にルミノール“じゃない方”のパネライといった役割を果たしたモデルだったのですが、それはリシュモン時代になってラジオミールになったといえます。

    そのため、今となってはそのパネライらしくない見た目と、実はプレヴァンドーム時代に存在していたという“由緒正しき”さが相まって、評価されているのだと思います。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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