パネライは1997年にリシュモングループ入りしましたが、それ以前に生産されたモノは「プレヴァンドーム」と呼ばれています。
また、パネライの生産年は、毎年アルファベットが更新されていますが、その最初であるA番は98年からとなっていることから、97年のパネライは「プレA」と呼ばれています。
そしてそれら、プレヴァンドームとプレA世代のパネライは、2000年代前半から特に評価が高くなっており、それが現在まで続いている傾向です。
この世代のパネライは、ロレックスでいう4桁世代のスポーツモデルに似たキャラクターであるといえ、
という点が共通しているといえるでしょう。
そんなプレヴァンドーム時代のパネライには、2種類のシリーズが展開されていたのですが、1つはルミノール系で、ルミノールベースの初期モデルといえるモノも存在します。
そして、もう一つの存在がマーレノストゥルムというシリーズなのですが、これは文字盤のアラビア数字以外においては、かなりパネライらしくないといえるモデルでしょう。
このモデルは、プレヴァンドーム時代には、5218-301/Aという型番で存在しており、プレAとA番の時代にはPAM00006として存在していました。
A番をもって生産終了となっているため、2002年以降のパネライブームの時代からは幻のモデルというような扱いとなり、評価される傾向となりましたが、元々はそこまで人気が高いとはいえませんでした。
ただ、2000年代前半から評価されて以降は、特に安くなるということはなく、リーマンショック後に多くの腕時計が安くなった時代においても、100万円以上という水準となっていたのです。
そして、それから10年近く経った今、PAM00006はどのような様子となっているかというと、2008年と比較して60万円以上値上がりしている模様です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2008年11月 の安値(ヤフオク) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
マーレノストゥルム PAM00006 |
中古 | 9年 9ヶ月 |
¥1,050,000 | ¥1,698,000 | 648,000 | 161.71% |
マーレノストゥルムは、2017年に復刻モデルとしてPAM00716がデビューしましたが、その元がこのPAM00006といえるかと思います。
PAM00006は、93年に登場した5218-301/Aの後のモデルで97年に登場していますが、これはルミノールベース同様、リシュモングループ入り後の小変更といったところでしょう。
マーレノストゥルムは、その時代において人気モデルとなっていたならば、1つのシリーズとして今も存在していたと思います。プレヴァンドーム時代にルミノール“じゃない方”のパネライといった役割を果たしたモデルだったのですが、それはリシュモン時代になってラジオミールになったといえます。
そのため、今となってはそのパネライらしくない見た目と、実はプレヴァンドーム時代に存在していたという“由緒正しき”さが相まって、評価されているのだと思います。