雲上スポーツの一角を担うオーバーシーズという存在ですが、長らく目立った値動きとはなっておらず、雲上としてはインパクトが弱い存在だったともいえるかもしれません。
しかし、そんなオーバーシーズという存在において今、変化の兆しが起こっているといえます。
それは、2つの点から感じることができるのですが、1つは数が少なくなっているという傾向があります。
特に、2代目オーバーシーズの3針モデルや初代のクロノグラフの数が少なくなっていると感じます。
そしてもう一つの点は、値上がり傾向という点なのですが、多くのモデルにおいて値動きが起こっているといえます。
例えば、初代のミディアムサイズはクオーツ、自動巻ともに値上がり気味ですし、クロノグラフの黒文字盤も10万円以上上昇している様子があります。
筆者は先日親しい友人に、「100万円ぐらいでいい時計ない?」と聞かれて、オーバーシーズのクロノグラフを勧めようと思ったのですが、既に“100万円ぐらい”では購入できなくなっており、びっくりしました。
そして、2代目の3針モデルに至っては、2017年2月と比較してなんと16万円以上も上昇しているという様子。
長らく、2代目オーバーシーズの3針は白、黒文字盤ともにここ数年100万円以下で購入可能だったため油断していたのですが、気づいたら110万円台半ばまで上昇していたのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年2月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ 黒文字盤 47040/B01A |
中古 | 1年 6ヶ月 |
¥999,800 | ¥1,168,020 | 168,220 | 116.83% |
オーバーシーズは雲上スポーツの一角であるにもかかわらず、これまで値動きが活発な様子ではなく、いつでも同じ価格で手に入るという感じすらありました。
2017年にはノーチラスが大幅な値上がりとなっていますし、ロイヤルオークの15400STなども値上がりとなっています。
しかし、オーバーシーズだけは値動きがなく、15400STなどと同じ世代である2代目ですら値動きが無かった様子でした。
唯一目立った値動きとなっていたのは、初代のラージ自動巻の白文字盤で60万円台という水準だったのが2017年には70万円台後半へと変化していました。
ただ、2000年代前半において注目度の高かった傾向があるクロノグラフや、近ごろ値動きが目立っている15400STや5711/1Aと同世代である2代目のオーバーシーズですら、値動きしていなかったのです。
それが、2018年8月という今の時期において、この記事の47040/B01Aといった2代目オーバーシーズやクロノグラフなどが値動きし、一気に状況が変化したといえる状況です。
これは、いままでのオーバーシーズとしては、驚くに値する出来事ですが、ノーチラスやロイヤルオークの例を考慮すると、雲上スポーツモデルとしては値動きして当然とも評価できるともいえるでしょう。