ノーチラスの“豪華版”を担う存在として伝統的に金無垢ブレスレットモデルが用意されてきましたが、現行世代におけるそれにはローズゴールドが初採用されました。
ローズゴールドのノーチラスは、厳密には3800の時代に極少数のモデルが製造されましたが、レギュラーモデルへの採用は初といえます。
また、文字盤は5711/1Aの青文字盤をローズゴールド版にしたという印象のエンボス茶色となっており、ノーチラスのイメージに忠実な色合いという印象。これは、ゴールデンエリプスの青文字盤3738/100Jに対する3738/100Rに近く、茶文字盤は“ローズゴールド専用の青文字盤的存在”というように感じます。
ですから、5711/1Rはローズゴールドという真新しさだけでなく、RGにマッチした専用文字盤という魅力があるといえるのです。
さて、そんなノーチラスの5711/1Rですが、金無垢モデルということで、5711/1A-010が300万円程度だった時代から、500万円以上という水準です。
ちなみに、2016年7月の時点では約515万円という水準だったのですが、その時代においてのそれは「十分高い」という額でした。実際当時の記事でも「割高と思えるのは確か」と表現しています。しかし、その後に「かつての事例を見る割高と思った時計が更に高くなる」と記載されており、それを「ノーチラス現象」と名付けています。
そして2017年12月の時点で、この5711/1Rは600万円台となり、2016年と比較して約86万円の値動きとなりました。ですから、まさに「ノーチラス現象」となったのです。
しかしそれから約8ヶ月経った今、なんと5711/1Rは700万円台という水準に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1R |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥6,018,000 | ¥7,425,600 | 1,407,600 | 123.39% |
500万円台が600万円台になった時点で、「まさにノーチラス現象」と表現しましたが、それからさらに100万円以上の上昇を果たし700万円台となった今は、「さらにノーチラス現象」という表現になるかと思います。
5711/1Rはこのような値動きをしてかなり優秀ともいえますが、5711/1Aの値動きを見ると特に驚く点は無いとも言えるかと思います。
ステンレスである5711/1A-010が500万円台という水準に達している今、豪華版かつレア要素であるローズゴールド版の5711/1Rが約600万円だったならば、「ローズゴールド」の付加価値は50万円程度となってしまいます。
ですから、ローズゴールドの付加価値という視点では、現在の水準は自然とも言えるかと思います。
ちなみに、この記事の執筆時点ではボトム価格が約703万円でしたが、その個体は既に売り切れとなっています。