腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

90万円台になった、GMTマスター16700

2018年8月13日更新
ロレックスのGMTマスター16700について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年1月の安値(楽天)と2018年8月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この0年7ヶ月での変動は¥40,000だった。

GMTマスター 青赤ベゼル 16700についての考察(2018年8月)

GMTマスターシリーズは2007年以降とても人気が高い状況となっており、116710BNLRが定価を上回るプレミア価格になっているというように、特に“色付きベゼル”のモデルの人気が高い状況です。

2017年頃からは、それ以前より更に人気が高い状況となっており、それまで十分に値上がり傾向だったモデルが更に高くなっている状況となっています。

例えば、5桁時代の16710は2000年代前半には人気がなかったため、新品実勢価格が30万円台前半という水準でしたが、2007年以降はリーマンショック後に多くのロレックスが安くなった時期でも中古が30万円台という水準。そして、2015年以降に至っては中古が50万円台となっていたのです。

それが2017年からは更に高くなり、それまで50万円台だった1671080万円台まで上昇しています。

そして、2017年以降と以前において大きく違う点がもう1つあり、それはGMTマスター16700が高くなったという点。

GMTマスターといえば、自然と「2」という印象が強いですが、それはGMTマスター」が1999年でシリーズ廃止となったから。

そして、その最後のGMTマスター16700という存在なのです。

しかし、その16700は2017年以前においては、同じ5桁同士の比較において「2」である16710より安いというのが当たり前でした。

例えば、2016年において青赤ベゼルの1671065万円程度だったならば、1670060万円を切る水準で購入可能だったのです。

それが2018年の今となっては1671080万円台後半という水準であるのに対し、GMTマスター1670090万円台という水準に達しています。

つまり、今においてはGMTマスター2よりGMTマスター」のほうが評価されているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年1月
の安値(楽天)
2018年8月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
GMTマスター
青赤ベゼル
16700
中古 0年
7ヶ月
¥888,000 ¥928,000 40,000 104.50%

現在、16700には80万円台の個体がありますが、ABランク以上のモノについては既に90万円台に達してます。(2018年8月9日時点)

1年少し前まで16700は、GMTマスター216710より“安い”というのが当たり前でした。しかし、16700は1999年で生産終了となっているため希少価値が高く、「II」が無い文字盤というレアポイントも魅力的だと思います。

ですから、16710より16700のほうが高いという今の相場序列はとても理解できると感じます。

ただ、16700について最も感慨深いのは、かつて全くといっていいほど評価されておらず、特に2000年代前半においては不人気スポーツロレックスの代表的存在だった時代がありました。

そのような“不遇の時代”を経て、16700の中古がかつての新品実勢価格の3倍近い水準となったのは、とても凄いことだと思います。

世の中には、その時において“凄い”と思われていることがあり、多くの人がそれを「普遍的かつ当たり前」と思っています。

しかし、この16700の事例からは常識なんてあるようで無いのだということが思い知らされると感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。