オーバーシーズがデビューしたのは1996年のことですが、その時代における雲上スポーツにはメンズサイズにもクオーツモデルが用意されていたという傾向があります。
ノーチラスには3900/1A、アクアノートには5064A、ロイヤルオークには56143STというクオーツモデルがありましたが、それらはいずれも機械式よりやや小さいサイズだったという特徴があります。
当時のノーチラスの3針現行モデルは約33mmでしたが、3900は約32mm。アクアノートにもラージとミディアムがありましたが、クオーツにはミディアムサイズしかなく、それはロイヤルオークでも同様です。
しかし、オーバーシーズだけは積極的にクオーツモデルを用意した傾向があり、ミディアムサイズだけでなく、ラージサイズにもクオーツがあったのです。
さらに用意される文字盤色も機械式と同様で、ピンクや白など多数の文字盤がクオーツにも存在しています。
そんなクオーツのオーバーシーズは、いつの時代も機械式よりやや安いというポジションに位置していたのですが、“ラージのクオーツ”と“ミディアムの自動巻”を比較した場合、どちらが高いかということは、一概にいえない傾向があります。
そしてそれは今も同様で、ミディアムの自動巻とラージのクオーツはともに60万円台半ばという同じような価格帯に位置している状況です。
ただ、2016年においてはクオーツのラージサイズがとても安く評価されていたことがあり、その時期と比べると“ラージのクオーツ”はなかなか値動きしたということになります。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年7月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ ラージ クオーツ 白文字盤 72040/423A |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥429,800 | ¥675,000 | 245,200 | 157.05% |
先のように、ラージサイズのクオーツと、ミディアムサイズの自動巻は、以前から似たような価格帯に位置していましたが、2016年7月においてはラージのクオーツのほうが安かった状況です。
そして、それから約2年経った現在においてはラージのクオーツのほうがミディアムの自動巻よりやや高いという状況になっているのですが、これは自然という感想にもなります。
なぜなら、近年、ラージサイズの第一世代オーバーシーズの売出し個数が減っている傾向があり、第一世代のラージは以前よりもレアという印象が強いからです。
実際、自動巻きにおいては、2017年の段階からラージだけは70万円台後半という水準。当時のミディアム自動巻は50万円台だったため、特に評価されていたといえます。
ちなみに、2017年に50万円台だったミディアムの自動巻は、2018年には60万円台、ラージの自動巻は80万円台となっています。
よって、クオーツのラージサイズは、
という要素により、2016年より高くなったといえるのです。