2017年からノーチラスの値動きが目立ち、特に5711/1A青文字盤が高くなっている様子です。
5711/1A-010は2016年7月の段階で約306万円という水準だったのが、2018年5月の段階では約582万円にまで上昇しています。
5711/1Aはシンプルな3針モデルですが、この世代のノーチラスからはそれより上級な存在となるコンプリケーションモデルがいくつも登場。
かつてはノーチラスでは考えられなかった年次カレンダーモデルも2010年に追加されました。
年次カレンダーはそれ単体で、高価なモデルという要素。例えば、年次カレンダーが5035ほぼ唯一だった2000年頃においては、ノーチラスの新品が約90万円だったのに対し、年次カレンダーは150万円以上という水準でした。
ですから、年次カレンダーとノーチラスの組み合わせは、かなりな高級要素となり高い相場でも不思議ではないのです。
そんな年次カレンダーのノーチラス、5726/1A-010は2016年11月の段階で約373万円という水準。
2016年11月頃といえば、多くの時計が安くなった時期ですが、下落傾向が目立つ以前の7月における5711/1A-010と比較しても、5726は70万円近く高かったのです。
しかし、2017年から5711/1A-010が特に高くなったため、2018年になると年次カレンダーのほうが安いという現象となりました。
2018年6月において、年次カレンダーの5726/1A-010は約538万円だったのに対し、3針の5711/1A-010は約582万円という水準。3針青文字盤のほうが高かったのです。
そのため、年次カレンダーはその時期「相対的にお買い得に位置する」と記事でも表現しました。
ただ、8月の今となっては5726/1A-010は500万円台前半では購入することができなくなっており、3針青文字盤より高い状況に戻った様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年6月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 5726/1A-010 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥5,388,000 | ¥5,950,000 | 562,000 | 110.43% |
現在、5711/1A-010のボトム価格は560万円という水準ですから、3針が年次カレンダーより安いという状況となっています。
年次カレンダーという要素や定価を考慮すると、3針より年次カレンダーが高いのは当たり前ともいえますが、一時的に逆転現象となったぐらい3針は人気がある様子だと感じます。
また、5726/1Aは3針より高くなったとはいえ、かつての価格差や年次カレンダーという要素を考慮すると、まだ価格差大きくないともいえます。
ですから再度3針のほうが高くなるのか、それとも年次カレンダーが3針との価格差を広げるのか、今後どのようになるのかは分かりません。
ただ、いずれにしても、ノーチラスの値動きは非常に興味深いといえるでしょう。