黒文字盤といえば、腕時計における最も人気の高い文字盤色というイメージが強かったのですが、それはすでに過去のものとなりつつある様子です。
116520がデビューした際は、白文字盤より黒文字盤のほうが20万円程度高い水準という状況でしたが、現在の現行モデルである116500LNの場合は白文字盤のほうが20万円程度高い様子です。
そして、かつて黒文字盤のほうが圧倒的に高かった116520の中古相場は現在どのような状況になっているかというと、白文字盤のほうが高いこともあれば黒文字盤のほうが高いこともある様子。つまり、文字盤における価格差はほぼない状況だといえます。
そうすると、かつて高かった黒文字盤のほうが、長期的な視点では値上がりの優秀度は低いということになります。
実際、116520は2000年にデビューした当時からプレミア価格の代名詞的存在であり、かなり高い新品実勢価格となっていました。16520の時代にデイトナがプレミア価格の代名詞となったため、その新型である116520に対する注目度はかなり高かったのです。
2000年頃の新品実勢価格と比較して、2010年代中盤の中古相場は値上がり状態となっていたロレックスは多々存在し、例えばサブマリーナ16610やGMTマスター2の16710はずいぶん高くなっています。
しかし、デイトナの場合は2000年当時の新品実勢価格がかなり高い水準だったため、アベノミクス以降の水準でも、到底超えることはできず、2017年という数多くのロレックスの値上がりが目立った時期ですら、2000年頃の新品実勢価格を中古が上回るということはなかったのです。
2017年における116520の値動きは、目立って値上がりしていた16520と比較するとだいぶ地味という印象でした。
それが2018年になると116520は2017年よりも目立って値動きするようになり、7月には白文字盤が170万円台となっています。
そして、現在では黒文字盤も170万円台となっており、白文字盤も黒文字盤も170万円台前半がボトム価格となっている状況。
ですから、2000年頃において他のSSロレックスに対して圧倒的な実勢価格だった116520の黒文字盤についても、2000年頃の新品実勢価格より、現在の中古ボトム価格のほうが高いという現象になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2018年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116520 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥1,509,840 | ¥1,720,000 | 210,160 | 113.92% |
2001年1月における116520黒文字盤の新品実勢価格は当時の税込換算で約155万円という水準。
2017年12月の水準は約150万円だったため、2001年1月の新品に到達していないということになります。
ちなみに、116520黒文字盤は2016年までの中古相場が110万円程度だったため、2017年12月の水準でもずいぶん値上がりしている状況。
また、アベノミクス以前の2010年前後の時期は70万円台だったため、2016年の水準でもそれと比べると値上がりしているのです。
ですから2017年12月の水準でもここ10年程度の期間における値動きとしては、かなり値上がりしたといえる状況だったことになります。
しかし、それでも2001年1月における新品実勢価格に到達していなかったというのが、116520黒文字盤という存在だったわけですが、ついに170万円台になったことにより、ようやく過去のデビュー当時の新品実勢価格より高い状況となったことになるわけです。