LVMH以前のタグホイヤー時代に企画されたClassicsシリーズ。
当時のタグホイヤーは、ブレスレットの防水時計をメインとしており、カレラやモナコについては80年代頃にはすでに生産終了となっていた状況でした。
そのようなタグホイヤーにおいて、復刻版という形で限定販売されたのがClassicsシリーズの始まりであり、好評だったことから限定版という縛りが解除されたのです。
そんなClassicsシリーズの時代には、“手巻き+ラウンド”のカレラと、“自動巻+角型”のモナコがリリースされましたが、カレラにのみ金無垢の豪華版が存在しました。
当時の定価はステンレスが25万円(税別)だったのに対し、金無垢モデルは58万円(税別)と倍以上高い存在となっていました。
そして、その後の中古相場では、ステンレスが10万円台だった時期でも金無垢は30万円台後半という水準で、やはりClassics時代のカレラとしては高い水準だったのです。
しかし、それら価格帯はClassics時代のカレラの要素を考慮すると安いと判断できたのです。
この時代のカレラには、レマニア製の手巻きムーブメントやドーム型プラ風防など腕時計好きから評価されそうな要素が存在。
その内容からして、ステンレスの10万円台や、YGの30万円台はかなり安かったと評価できるかと思います。
例えば、30万円台で購入可能なYGモデルは限られていますが、機械式クロノグラフではカレラCS3140の他には思い浮かびません。
YGの割に安いブルガリのスポーツクロノでも、30万円台で購入可能なのはクオーツモデルです。
しかし、CS3140は2013年以降においてほぼ相場の変化がなく、30万円台後半で購入可能という状況が続いていました。
そんなCS3140に変化の兆しがあったのは2017年のことなのですが、その際どのようなことがあったのかというと、売り出される数が少なくなったという現象となっていたのです。
CS3140は2017年まで、常に売られているという様子でしたが、2017年4月頃からは売り出されている個体を見かけなくなったのです。
数ヶ月の期間を経て9月に再度売られている個体が登場しましたが、その際は相場の変化がありませんでした。
その個体が売れた後、再度登場したCS3140は40万円台となりましたが、比較的早い段階で売れてしまった様子です。
そして今ではCS3140は50万円台後半となり、以前の30万円台という水準と比較してずいぶん高くなった様子であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値(楽天) |
2018年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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タグホイヤー
カレラ CS3140 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥398,000 | ¥598,000 | 200,000 | 150.25% |
このClassics世代のカレラは、1999年から2015年頃まで中古が15万円前後という水準で、ほぼ変化がないといった状態でした。
それが、2016年頃から徐々に相場が上昇し、2017年にはステンレスが20万円台となったのです。
そして、2018年の今ではステンレスが30万円台となっている様子かつ、YGについては50万円台後半という水準まで上昇。
これらSSとYGの中古相場は、新品として売られていた時代の定価を上回っている水準となっているのです。
この世代のカレラは、濃い要素があるため今のような水準になっても何ら不思議ではない存在だといえますが、むしろ、なぜ今まで評価されなかったかが不思議と感じます。