デイトナの素材といえば、ステンレス、コンビ、YG、WG、RG、プラチナというように多彩なラインナップが用意されています。
しかし、かつてのデイトナにおけるそれは、もっとシンプルで、4桁時代に至ってはSSとYGしかありませんでした。
また、2000年代前半まではSSとYGに、コンビとWGが加わっただけであり、WGに関しては革ベルトモデルしか存在しなかったのです。
WGといえば、現在中古相場がYGより安いというモデルが目立ち、あまり人気がないといえる状況ですが、2000年代においてはWG人気は高く「デイトナにブレスレットのWGモデルが無い」という不満の声を聞くことが多かったように感じます。
そして、その要望に答えるように、2004年にWGブレスレットの116509がデビュー。それ以降、116509はデイトナにおいて“最も高い(現行モデルにおいて)”という印象があった存在だといえます。
けれども、その一方で以前から存在する革ベルト版の評価は高くなく、時期によってはステンレスモデルと同水準ということもあったのです。
特に2010年頃は、16520黒文字盤が80万円台後半だった場合、YG革ベルトの16518が90万円台前半というような水準が目立っていました。また、その時期においてWG革ベルトの16519は90万円台後半とやや高いという水準に位置。
ちなみに、WGブレスレットの116509は210万円台だったため、革ベルトのWGが評価されていなかったことがわかります。(YGブレスレットの116518はその当時130万円台程度)
ですから、革ベルトのデイトナはこれまであまり評価される存在とはいえなかった状況です。
まして2018年の今においては、WGの人気が低いため、16519に至っては特に悲惨な状況となっていると思われるかもしれません。
しかし、2018年現在の16519Gの様子は、かなり評価されているという状況になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年8月 の安値(ヤフオク) |
2018年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 黒文字盤 16519G |
中古 | 6年 1ヶ月 |
¥1,310,400 | ¥2,970,000 | 1,659,600 | 226.65% |
現在、16519系は、通常文字盤もダイヤ文字盤の16519Gも200万円台という水準になっています。
16519は1年前まで150万円台だったのが、今では240万円台にまで上昇しているのです。
なぜ、WGの革ベルトデイトナが、このような評価となっているのかというと、それはレア要素があるからだと思います。
16520において評価される項目の一つとして「エルプリメロ」という要素がありますが、16519も同じくエルプリを搭載しています。
そして、16519が登場したのは1996年頃で、2000年には6桁世代の116519へとバトンタッチしたため、生産された期間が4年程度と短いのです。
ですから、16519はエルプリ世代のデイトナの中で最も生産年が短いリファレンスとなっており、レアな印象が強いといえます。
また、過去価格における16520との相関においても、今のような水準は自然といえます。
先のように2010年頃における16519の相場は16520より約1.12倍高いという水準でしたが、現在の16519の240万円台という数値は、16520より1.12倍程度高い水準となっているのです。
2017年7月の段階では16519は150万円台という水準でしたが、それは当時の16520は180万円台に達していたため逆転していたのです。
よって、16519系は近ごろ、目立った値上がりとなっていますが、エルプリWGというレア要素と16520との相関という理由により、自然な値動きだといえるかと思います。