サブマリーナデイトといえば、今の時代は“プレミア価格”ということが珍しくないという印象がありますが、5桁時代においてはそういった印象は強くなかったといえます。
特に2000年代前半まで16610は、スポーツロレックスの中で最もオーソドックスな存在という印象。
当時はロレックスの中でスポーツモデルを選ぼうとした場合、オーソドックスなのはエクスプローラーではなくサブマリーナデイト。何度もお伝えしている通り、エクスプローラーは当時プレミア価格の代名詞的存在だったのです。
ただ、当時のサブマリーナの印象はあまりにもオーソドックス過ぎたため、少しコアな時計ファンからは面白みを感じられないと思われたかもしれません。
当時の16610の新品実勢価格は30万円台後半という水準でしたが、それは限られたショップにおける価格というわけではなく、郊外にあるドンキホーテでも16610の新品が約38万円で売られていました。
16610は、2000年代前半において新品実勢価格は30万円台という水準でしたが、2007年頃には新品が50万円台となっています。
ただ、その後リーマンショックにより中古は安くなり、2010年頃は30万円前後といった水準が中古では目立っていました。
そしてアベノミクス以降、16610は高くなったものの、2016年の段階でも40万円台後半という水準。確かに過去と比べると高くなっているものの、“驚くほど”という印象ではなかったといえます。
大きなインパクトとなったのは2017年で、6月には中古が50万円台後半、12月には60万円台という水準になっています。
ですから、かつての16610のキャラクターからすると、2017年の様子は「かなり変化した」という印象になります。
では、2018年の今、16610はどのような水準になっているかというと、なんと70万円台に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2018年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
サブマリーナ 16610 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥645,840 | ¥730,000 | 84,160 | 113.03% |
16610は先のように、オーソドックスという要素を持つ存在であるため、数が多め。数が多い時計は、ボトム価格にCランクなどの個体がある傾向がありますが、16610もそのような傾向があります。
そして、現在ABランク以上の個体となると70万円台以上という水準に達しているのです。(2018年9月9日時点)
これは、かつての16610のキャラクターからするとかなり凄い値上がりといえるかと思います。
郊外のドンキホーテでも新品約38万円で売られていた時計が、今や中古で70万円台というのはかなり大きなインパクトといえるでしょう。
当時は、SSのデイトナやエクスプローラーに注目が集まっていたため、まさか16610がこれほどの値上がりとなると予測できた人はいないかと思います。