2001年頃において、メジャーという印象だった腕時計ブランドは、ロレックス、オメガ、ブルガリ、カルティエだったといえます。これらは当時、時計店でも目立つ場所に並べられていたり、郊外型ドンキホーテでも販売されていたりするなど、オーソドックスな選択肢といえました。
そして、新品実勢価格の観点での価格序列は、ロレックス≧カルティエ・ブルガリ≧オメガであり、デイトナなどプレミア価格のモノを除くと、宝飾系はロレックスと近い価格帯に位置していた印象です。
今ではカルティエやブルガリの中古はロレックスより安い水準に位置するモノが多いため、比較対象という印象はないかもしません。
しかし、2001年頃においては、先のように価格帯が近かったため比較対象という印象でした。当時は、パシャCやタンクフランセーズ、ブルガリスポーツなどがロレックスと比較対象だったといえます。
けれども、そんな中でカルティエとブルガリのラインナップには、一部オメガと比較対象となったモデルが存在。
それこそが、ブルガリアルミニウムとカルティエヴァンテアンであり、宝飾系ならではの“優雅なカジュアルモデル”となっています。
このコンセプトは90年代にブルガリがソロテンポとアルミニウムで提案し、2000年にカルティエが追従。今となっては、いずれも生産終了となっていますが、当時は人気が高かったように思います。
そんな宝飾カジュアルモデルですが、ラバーベルトなどを積極採用したり、耐久性よりもデザインが優先される構造が用いられることがあったため、程度の良い個体は減少している傾向があるように感じます。
特に、ブルガリアルミニウムについては、その傾向が顕著といえ、程度の良い個体はあまり見かけません。
ただ、カルティエのヴァンテアンについては、それより程度の良い個体は多い傾向があり、特にクロノグラフに多い印象です。
クロノグラフは、2008年頃における中古相場がロレックスエクスプローラーとほぼ変わらず、宝飾カジュアルの中では比較的相場が高いモデルでした。
そのため、比較的程度の良いモノが多い傾向があるといえます。
しかし、3針モデルについては、クロノグラフより安いことが目立ち、程度の良いモノが少ない傾向もあります。
ただ、程度の良いモノが少ないといっても、3年前から相場は変わらない様子があり、2000年頃においてこのヴァンテアンより安かったオメガよりも、現在では安い水準となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年8月 の安値(楽天) |
2018年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
ヴァンテアン オートスカフ W10147U2 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥89,800 | ¥89,800 | 0 | 100.00% |
2001年当時のヴァンテアンオートスカフの新品実勢価格は約21万円。ブルガリアルミニウムが15万円ほどだったので、ヴァンテアンのほうが高い価格帯に位置していました。
そして、その時代においてオメガの新品実勢価格は、スピードマスタープロフェッショナル(3570.50)ですら約17万円という水準。シーマスタープロフェッショナル(2531.80)に至っては約14万円という水準だったのです。
ですから、宝飾カジュアルはオメガに近い価格帯といっても、オメガの上級モデルより高かったのです。
しかし、今となってはスピードマスタープロフェッショナルは30万円台、シーマスタープロフェッショナルは16万円台となっており、オートスカフより高い中古相場となっています。(いずれもABランク以上の水準)
ヴァンテアンには、クロノグラフと3針がありますが、クロノグラフはクオーツ、3針は自動巻となっています。
このようなラインナップは、カルティエの他のモデルやブルガリなど宝飾系に多い傾向がありますが、クオーツのクロノグラフより自動巻3針のほうが高くなる傾向のほうが多数派という印象があります。
ただ、ヴァンテアンについては、ずいぶん前からクオーツのクロノグラフのほうが高いという傾向があり、それが今でも変わっていない模様です。
ちなみに、クロノグラフのほうは2017年の段階で10万円を切っており、3針と同じような水準となっていました。それは2018年でも同様だったのですが、現在は10万円以下では購入できない様子です。