パテックフィリップといえば、ノーチラスやアクアノートの値動きが目立っており、全体的に高くなっているという印象があるように感じます。
しかし、カラトラバのようにオーソドックスなモデルにおいては、ノーチラスなどと比べると値動きがずいぶん地味というモデルもあり、中にはあまり大きく値動きしないモノも存在します。
カラトラバは、パテックフィリップのオーソドックスなシリーズかつ、種類も多いため、値動きしづらいという傾向がるのは仕方がない部分があるともいえるかと思います。
けれども、そんなカラトラバの中で、この1年で目立った値動きとなったモデルが存在。
それが、5296G-001という存在です。
この5296の「-001」は見ての通り、シンプルとはいえないデザインで、パテックフィリップとしては珍しい方向性だと感じます。
ただ、このデザインは1930年代頃に存在したカラトラバが元となっており、単に“珍しいデザイン”というわけではなく、しっかりとした歴史を感じさせるのは、さすがパテックフィリップという印象です。
カラトラバには、手巻きモデルと自動巻モデルがあり、自動巻モデルの中にもスモールセコンドのモデルと、センターセコンドのモデルに分かれます。
近年では、自動巻センターセコンドの価格帯が最も高い傾向があり、手巻きは100万円以下といった価格帯が目立つのに対し、自動巻センターセコンドだと200万円近いモデルが目立ちます。
5296G-001はセンターセコンドの自動巻モデルですが、2017年8月の段階で約194万円という水準だったため、上記の例に漏れないという印象がありました。
しかし、そんな5296G-001は約1年という期間を経た今において、なんと30万円程度も高くなっていおり、220万円台という水準に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値(楽天) |
2018年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 5296G-001 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥1,941,840 | ¥2,250,000 | 308,160 | 115.87% |
5296G-001の200万円近いという2017年の水準は、センターセコンドのカラトラバとしては目立つ水準ではなく、他のセンターセコンドカラトラバと特に大きく変わらないという印象だったように思います。
それが、2018年になると5269G-001は約30万円の上昇となっており、目立った値動きとなっている印象です。
このカラトラバの文字盤デザインはとても特徴的だと感じますが、このようなデザインは新品時にはあまり人気がなく、その後人気となることがあります。
5296には、特徴あるデザインの「-001」と他のカラトラバのようにシンプルな「-010」という文字盤がありますが、2017年の段階ではシンプルな「-010」のほうが高い傾向でした。
現在、WGの5296Gには「-010」がないのですが、RGの5296Rをみるとシンプルな「-010」より特徴あるデザインの「-001」のほうが高い様子です。