現在のブレゲは“商標のみ”を利用している時計であり、天才時計師のブレゲ氏とは何ら関係ないという評価もあります。そのため、本質的にはブレゲでないというツッコミをたまに受けてしまう側面もあるブランド。
BMWが商標のみを手に入れて0から作った現在のロールスロイスと同じです。とはいうものの、それが”邪道”だという人はごく一部。
“邪道”とか“本質的に違う”という言葉はインパクトが強いため、それが少数派だったとしても目立ってしまう傾向があります。しかし、それにいちいち反論していなくとも、多くの人はこのブランドを認めていることでしょう。
ということで、「ブレゲ」という強いブランド、「クロノグラフ」という人気機能、「よいムーブメント」、そして100万円クラスという高い定価。
このアエロナバルは明らかにデイトナのライバルであるにもかかわらず、プレミア価格を20年以上維持し続けているデイトナ(ステンレスモデル)とくらべて、ずいぶんと安値なのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年12月 の最安値(ヤフオク) |
2015年8月 の最安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブレゲ
アエロナバル タイプXX (Ref3800、ステンレスブレス) |
中古 | 2年 8ヶ月 |
¥358,000 | ¥489,000 | 131,000 | 136.59% |
この時計、2012年と比べて現在でも13万円値上がりしているのですが、私はもっと値上がりしてもおかしくないと思っています。
デイトナに匹敵するクロノグラフとして現在考えられるのはパネライのクロノグラフ(ステンレスブレスレット)ですが、これが現在70万円台ぐらいが最安値なので、アエロナバルもこのぐらいの価格になると予測できます。
2012年につけていた35.8万円というプライス、現在の価格とくらべてもそうですがロレックスのサブマリーナと同価格です。
通常のサブマリーナデイトを買うならこっちでしょうと、けっこう強く思ったりします。
そういえば、似たようなことが以前にもありました。
2001年頃、ヨットマスターロレジウム(16622)とパテックフィリップアクアノート(5066/1A)の価格が新品中古ともにかぶった時期があったのです。
当時の価格は
- 新品850,000円
- 中古698,000円
でした。
それがアクアノートは現在150万円以上なのに対し、ヨットマスターは63万円ぐらいです。
2001年頃において、高級腕時計の世界は今よりも狭く、パテックフィリップを買う人はほぼいない状況。
そのため、多くの人がロレックスにしか興味を示さず、本来ロレックスより高いパテックフィリップが、かなりのバーゲン価格で売っていてもそれを無視していたのです。
つまり、アクアノートが中古60万円台で売っていても無視して、価格状態のデイトナを選ぶことに誰も迷わなかったわけです。
しかし今では、様々なブランドの時計を購入対象とする文化が形成されています。
そして今、このアエロナバルの相場と5桁時代のサブマリーナの相場を見比べた際、アエロナバルが良い選択肢だと思います。