ブライトリングには多くのラインナップが存在し、見た目が似ていても異なるモデルが多々存在します。
また、その見分け方も難しく、同じように感じても価格帯が異なる場合もあります。
例えば、中古30万円台で多く見かける仕様は、インダイヤルが12時、9時、6時位置にあるクロノグラフですが、50万円台になると6時、9時、12時位置のモデルとなります。かといって、50万円台と同じインダイヤルの配置でも30万円台に位置するモデルがあり、見た目の印象だけではモデルの特徴を捉えづらい傾向があるといえます。
この場合、50万円台と30万円台のモデルの違いは、搭載するムーブメントで、50万円台のモノには自社製、30万円台だとETAベースという傾向がある様子です。
ちなみに、30万円台でも6,9,12時位置のモデルは7750ベース、3,6,9時位置のモデルはETA2892ベースという傾向がある模様です。
オメガの場合2892系が安く、その上位に7750が位置している場合が多いため分かりやすいのですが、ブライトリングの場合はそういった棲み分けが分かりづらく、全体像を把握しづらいと感じます。
そんな、ブライトリングの中で、このA41322は2892-A2ベースで30万円台という位置にある傾向があるのですが、このモデルはどのような特徴があるのかというと、「ナビタイマー誕生50周年記念モデル」という存在です。
2002年に登場したA41322には、黒文字盤と銀文字盤、ブレスレットと革ベルトタイプなどが用意されていますが、銀文字盤+ブレスレットという要素の場合、2012年と比較してほぼ相場が変わっていないという状況となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年2月 の安値(ヤフオク) |
2018年10月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ブライトリング
ナビタイマー 銀文字盤 ブレスレット A41322 |
中古 | 6年 8ヶ月 |
¥338,000 | ¥329,980 | -8,020 | 97.63% |
ブライトリングにおいて、ブレスレット、ステンレス、クロノグラフという要素を持つモデルは、これまで筆者が見た例では、2012年頃と比較して2015年以降の水準だと値上がり傾向という事例を見るほうが多いように感じます。
例えば、IWCの場合だと、多くのモデルが2012年頃と比較して「ほぼ変わっていない」という事例が多いため、値動きしない傾向は珍しくありません。
2012年といえばアベノミクス以前の時期であり、多くの時計が現在よりかなり安かった時期だといえます。
何度もお伝えしていますが、ノーチラス5711/1Aは200万円以下、デイトナ16520は100万円以下で購入可能だった時代が2012年であるのです。
デイトナ16520が220万円台、ノーチラス5711/1Aが500万円以上という今の時代からは考えられないほど安かったことが分かります。
そういった2012年と比較して2018年という時期において、安くなっているという時計もありますが、それに該当する傾向があるのは、2012年頃において相対的に高値(比較的高級モデル)という傾向があるように感じます。
そして、このナビタイマー50周年記念モデルは、2012年において30万円台に位置に位置していたわけですが、当時はナビタイマーの通常モデルが20万円台前半といった価格帯が多かったといえ、それを考慮すると30万円台という水準は2012年において相対的に高めだったといえます。
ですから、他に値上がり傾向となっているブライトリングの中で、この50周年記念モデルが2012年と比較してほぼ値動きしていないというのは、2012年頃において相対的に高い傾向があったからだと推測できると思います。