当初は限定モデルでしたが、人気だったことから、「限定」が解除され通常販売された経緯があります。
この世代のカレラには1つのYGモデルと、4つのSSモデルがありますが、1996年に登場したモデルに関しては、限定版と通常版があります。
限定だった時代のモデルと、後に限定が解除された時代のモデルでは、差がほぼ無く、違いといえば、裏蓋に「Re-edition」などという表記があるか否かという点。見た目としての違いは全く無いといってよいでしょう。
ちなみに、限定版だった時代にしか存在していないというモデルはありません。
また、限定解除後には、2つのモデルがデビューしているため、それらモデルだけが「通常版しかない」ということになり、逆にレアという可能性を秘めている存在だといえる複雑な状況となっています。
それらのモデルこそ、新しい黒文字盤のCS3113とサーモンピンク文字盤のCS3112で、両者は2000年頃デビューし、2002年に「タグホイヤー」ロゴのカレラが登場するまで存在していました。
現行品としてラインナップされていたのは2年程度であり、1996年に登場したCS3111などと比較して製造年が短いモデルとなっています。
この2つのカレラは数が少ない傾向がありますが、最も見かけない存在であるのはサーモンピンク文字盤のCS3112という存在。文字盤の色が特徴的というだけでなく、このモデルだけがSSでもクロコの革ベルト仕様となっており、他のカレラとは異なる要素のある1本だといえます。
それに対して同じ時期にデビューした新しい黒文字盤は、それ以前の黒文字盤であるCS3111と同じ「黒文字盤」という存在であるため、目立って違うモデルという扱いをされていないこともある様子です。
しかし、インダイヤルが「フチあり」仕様となっており、それが与える見た目の印象の違いは大きいともいえるでしょう。
さて、そんなCS3113という存在ですが、かつては他のカレラと同じくずいぶん安い水準で売られていたこともありました。
それが2017年には、10万円台後半という水準にまで上昇し、この世代のカレラとしてはそれ以前よりも高くなっていたといえます。
そして、それから約1年半後の今、このCS3113という存在は2017年よりもさらに高くなり、30万円台という水準になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年4月 の安値(ヤフオク) |
2018年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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タグホイヤー
カレラ CS3113 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥188,000 | ¥348,000 | 160,000 | 185.11% |
このCS3113は、約1年7ヶ月の期間で16万円の値動きとなっていますが、これは2015年以前における1964復刻カレラの中古相場そのものを超える水準だといえます。
2017年4月の時点でも、それ以前と比較して高くなっている様子ですが、当時のCS3113は18.8万円という水準。
ですから、16万円という値動きは、このカレラにとってずいぶん大きいといえるかと思います。
現行だった時代から2015年頃まで、中古が10万円台前半という価格帯であまり評価されていなかった1964復刻カレラという存在ですが、ムーブメントの観点からも、見た目的な良さも、世界の時計愛好家から「良い」と思われる要素を持っている1本だといえます。
ですから、かつての価格はかなり安かったといえ、それは以前にも記事で指摘していました。
よって、最近他のモデルも含めて上昇傾向というのは、かなり自然といえ、今後もどのような状況になるか興味深い存在だといえます。