かつてのオメガといえば、復刻版を出すという傾向はあまりなく、復刻版の扱いも現在とは異なりました。
以前の復刻版としては、スピードマスターの「1stレプリカ」(3594.50)という存在がありますが、現行モデルだった2000年前後の新品実勢価格も、現在の中古相場も通常版である3570.50と大きく変わりない様子です。
3594.50は、3570.50のラインナップの1つという印象が強かったため、同じ時代のタグホイヤーの復刻モデルとはキャラクターが異なっていたともいえます。
その時代のタグホイヤー復刻版といえば、Classics時代のカレラやモナコですが、通常ラインナップに対して「異色のキャラクター」という存在でした。そして、そのキャラクターが人気だったため、2002年以降はラインナップが拡大され、その後カレラはタグホイヤーの中心的存在へと変化していったのです。
そんなタグホイヤーに対して、これまであまり復刻版を強調してこなかったオメガですが、2010年代中盤からは積極的に復刻版を出すようになっています。
2017年には3つの60周年記念モデルがデビューしたのは記憶に新しく、今でも高い注目度となっているように感じます。それらは1950年代の復刻モデルでしたが、今年2018年にも1940年代の復刻版が登場しています。
そして、それらはキャラクター的にも価格帯的にも通常モデルと目立って差があり、かつての復刻版とは異なり「目立っている」といえます。
そんな復刻版のきっかけとなった存在といえるのが、2014年にデビューしたこの233.30.41.21.01.001。通常版のシーマスターより目立って高い価格帯に位置していたといえ、その新品実勢価格は50万円台(3社平均値)という様子だったのです。
しかし、そんな復刻シーマスターは、現在中古だと40万円前後という水準となっており、3年前の新品に対して10万円程度安くなっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年11月 の新品実勢価格(3社平均) |
2018年11月 の中古安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
シーマスター 233.30.41.21.01.001 |
新品 | 3年 0ヶ月 |
¥505,645 | ¥394,902 | -110,743 | 78.10% |
このシーマスターのように新品実勢価格の段階で、他のオメガと比較してなかなか高いと感じたモデルの場合、その後の中古相場との価格差が目立つというのは珍しくありません。
また、このモデルは2014年のデビューであるため、2015年の水準は「新作」といえたため高かったといえます。
ちなみに、現在の新品実勢価格は45万円前後といえる状況であるため、新品という観点でも2015年より値下がりしています。
新作としての評価から、落ち着いたのが今の水準といったところでしょう。
そのため、ここからが、どのような値動きになるかを考慮するスタートだといえ、今後の値動きがどうなるか興味深いと感じます。