腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

SSブレスレット自動巻の、パテックフィリップネプチューン5080/1A

2018年12月3日更新
パテックフィリップのネプチューン5080/1Aについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2005年夏頃の安値(タイムトンネル)と2018年12月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。このでの変動は48万2000円の値上がりだった。

ネプチューン 5080/1Aについての考察(2018年12月)

ステンレス+ブレスレットパテックフィリップといえば、ノーチラスアクアノートという印象がありますが、2000年前後という時期においては、さらに2つのモデルが存在していました。

それらこそ、スカルプチャーネプチューンであるのですが、両者とも好き嫌いが分かれそうな、特徴的な見た目となっています。

確かに、ノーチラスも好き嫌いが分かれるデザインだといえますが、スカルプチャーネプチューンの「癖」はそれとは比較にならないほど「強い」といえるでしょう。

例えば、ノーチラスGMTマスター2の場合、2000年代前半において不人気モデルという印象だったのが、今となっては大人気となっていますが、このネプチューンスカルプチャーに関しては、そういった「かつての不人気が、一転して人気になる」という文脈とはまた異なるといえるでしょう。

2005年頃から、アクアノートノーチラスは評価されはじめた一方で、スカルプチャーネプチューンは、同じ「ステンレス+ブレスレット+自動巻」という内容ながら目立って評価されていなかったといえます。

しかし、2017年、スカルプチャーは、目立って高くなるという状況となり、それまでの110万円台から140万円台にまで上昇。2018年にもさらに高くなっている様子があります。

ではネプチューンはどのような状況かというと、ピンク文字盤の5080/1Aは現在130万円台で購入可能という様子となっており、「ステンレス、ブレスレット、自動巻」パテックフィリップとしてはかなり安く購入可能という状況。

ただし、ピンク文字盤の現在相場は、2016年のスカルプチャー水準より高く、この2年で上昇している模様です。

また、2005年と比較すると、値動きしないという印象でも実は40万円以上高くなっており、実は値動きしているという側面もあるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2005年夏頃の安値(タイムトンネル) 2018年12月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ネプチューン
5080/1A
中古 13 ¥898,000 ¥1,380,000 482,000 153.67%

スカルプチャーは、好みが分かれる見た目であるため、相対的に安く購入可能という印象があります。

実際、今の水準でも「3針、ステンレス、ブレスレット、自動巻」パテックフィリップとしてはかなり安いといえるでしょう。

例えば、これら要素を含み、なおかつネプチューンスカルプチャー以外で最も安いのはアクアノート5066/1Aですが、それでも現在220万円程度という水準です。

つまり、このネプチューン5066/1Aと比較して80万円程度安いのです。

ネプチューンは値動きしないという印象がある一方で、もしも本当に2005年頃から値動きしていなかったならば、他のパテックフィリップと比較して「安すぎる」という印象となってしまいます。

現在、この5080/1A5066/1Aに対して40%程度安い水準となっていますが、仮に現在でも90万円程度だったならば、60%安い状況となり、アクアノートの半値以下となります。

ですから、他のパテックフィリップの値動きに伴って、ネプチューンも自然な水準に値動きしたと推測できます。

とはいえ、2005年においてネプチューン約90万円だった際、ノーチラス3800/1A青文字盤は、約97万円だったため、両者の価格差は7万円に過ぎなかったのです。

現在、3800/1A青文字盤は300万円以上という水準ですから、5080/1Aとは180万円の価格差となっています。

ただ、これだけ個性的なパテックフィリップは少なく、現在、相対的に安く購入可能というのは、要注意な要素でもあるといえます。

かつて不人気だったモデルは、その時にその良さを理解できなくても、将来的には良さを理解できる文脈が現れる可能性は無いとはいえません。

今後どのような相場となるかは分かりませんが、もしもネプチューンが評価されることになったなら、今の時代にタイムマシーンで戻りたいと思うことになるのかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。