ステンレス+ブレスレットのパテックフィリップといえば、ノーチラスとアクアノートという印象がありますが、2000年前後という時期においては、さらに2つのモデルが存在していました。
それらこそ、スカルプチャーとネプチューンであるのですが、両者とも好き嫌いが分かれそうな、特徴的な見た目となっています。
確かに、ノーチラスも好き嫌いが分かれるデザインだといえますが、スカルプチャーやネプチューンの「癖」はそれとは比較にならないほど「強い」といえるでしょう。
例えば、ノーチラスやGMTマスター2の場合、2000年代前半において不人気モデルという印象だったのが、今となっては大人気となっていますが、このネプチューンやスカルプチャーに関しては、そういった「かつての不人気が、一転して人気になる」という文脈とはまた異なるといえるでしょう。
2005年頃から、アクアノートやノーチラスは評価されはじめた一方で、スカルプチャーやネプチューンは、同じ「ステンレス+ブレスレット+自動巻」という内容ながら目立って評価されていなかったといえます。
しかし、2017年、スカルプチャーは、目立って高くなるという状況となり、それまでの110万円台から140万円台にまで上昇。2018年にもさらに高くなっている様子があります。
ではネプチューンはどのような状況かというと、ピンク文字盤の5080/1Aは現在130万円台で購入可能という様子となっており、「ステンレス、ブレスレット、自動巻」のパテックフィリップとしてはかなり安く購入可能という状況。
ただし、ピンク文字盤の現在相場は、2016年のスカルプチャー水準より高く、この2年で上昇している模様です。
また、2005年と比較すると、値動きしないという印象でも実は40万円以上高くなっており、実は値動きしているという側面もあるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2005年夏頃の安値(タイムトンネル) | 2018年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ネプチューン 5080/1A |
中古 | 13 | ¥898,000 | ¥1,380,000 | 482,000 | 153.67% |
スカルプチャーは、好みが分かれる見た目であるため、相対的に安く購入可能という印象があります。
実際、今の水準でも「3針、ステンレス、ブレスレット、自動巻」のパテックフィリップとしてはかなり安いといえるでしょう。
例えば、これら要素を含み、なおかつネプチューンとスカルプチャー以外で最も安いのはアクアノートの5066/1Aですが、それでも現在220万円程度という水準です。
つまり、このネプチューンは5066/1Aと比較して80万円程度安いのです。
ネプチューンは値動きしないという印象がある一方で、もしも本当に2005年頃から値動きしていなかったならば、他のパテックフィリップと比較して「安すぎる」という印象となってしまいます。
現在、この5080/1Aは5066/1Aに対して40%程度安い水準となっていますが、仮に現在でも90万円程度だったならば、60%安い状況となり、アクアノートの半値以下となります。
ですから、他のパテックフィリップの値動きに伴って、ネプチューンも自然な水準に値動きしたと推測できます。
とはいえ、2005年においてネプチューンが約90万円だった際、ノーチラスの3800/1A青文字盤は、約97万円だったため、両者の価格差は7万円に過ぎなかったのです。
現在、3800/1A青文字盤は300万円以上という水準ですから、5080/1Aとは180万円の価格差となっています。
ただ、これだけ個性的なパテックフィリップは少なく、現在、相対的に安く購入可能というのは、要注意な要素でもあるといえます。
かつて不人気だったモデルは、その時にその良さを理解できなくても、将来的には良さを理解できる文脈が現れる可能性は無いとはいえません。
今後どのような相場となるかは分かりませんが、もしもネプチューンが評価されることになったなら、今の時代にタイムマシーンで戻りたいと思うことになるのかもしれません。