パネライにおいて、最も基本的かつシンプルなモデルといえば、ルミノールベースですが、2000年代前半において、SSのルミノールベースは、プレヴァンドームを除くと、黒文字盤の2番か、白文字盤の10番しかありませんでした。
2002年には、裏スケ化され、2番は112番、10番は114番へとバトンタッチされましたが、裏スケ化に伴うリファレンスの変更ともいえ、全体像は把握しやすかったといえます。
しかし、今となってはルミノールベースの種類は多々あり、どれがどれかをサクッと把握するのは困難だといえます。
特に、その困難さの1つといえるのが、このPAM00000という存在だといえます。
0番はそのリファレンスの通り、リシュモン時代のパネライにおいて、最初に出た存在かと思ってしまいます。
しかし、この0番が登場したのは2004年のことで、決して初期モデルではありません。
0番の特徴としては、裏スケでないという点や、文字盤上にOPロゴがあるという点があり、オリジナルパネライの特徴を有しているといえます。
0番登場以前において、「OPロゴ」は、パネライにおいて高値となる要素の1つだったため、これを備えているということは人気要素となるはずです。
けれども、この0番のように、近代的なパネライにおいて、OPロゴは特に評価されるということはなく、0番はこれまで、同じ黒文字盤の2番や112番と比較して安い傾向があります。
また、裏スケでないという点は、パネライにおいては、プラス要素ともなるといえ、例えば112番より2番のほうが高い傾向があります。
しかしながら、0番は、OPロゴもスチールバックも備えているのにもかかわらず、ルミノールベースの中で相対的に安いという傾向があるのです。
そして、そんな0番は2017年1月と比較してもあまり値動きしておらず、相変わらず最も買いやすいルミノールベースという存在となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年1月 の安値(楽天) |
2018年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00000 |
中古 | 1年 11ヶ月 |
¥373,076 | ¥364,867 | -8,209 | 97.80% |
このPAM00000という存在が、なぜそこまで評価されないのかというと、登場した時期が2004年ということが大きいかもしれません。
パネライの場合、評価ポイントとなるのは、古ければ古いほど良いという点で、戦中モデルが高いのはもちろん、リシュモングループ入りする以前の90年代モデルがとても高い水準となっています。
また、リシュモン以降のモデルでも、2003年頃までのモデルが評価される傾向があるように感じますが、筆者としてもそれは感覚的に理解できます。
2003年頃までのパネライは、マニア受けするようなモデルを多々造っていた一方で、2004年以降は、より一般受けしやすいモデルを投入する傾向があると感じます。
ですから、時計好きという目線で見た場合、2003年頃までのパネライは全体的に魅力的に見えます。実際、デットストックムーブメント搭載のラジオミールやエルプリ搭載ルミノールクロノなどマニアックなモデルは、ほぼこの時期に作られています。
ただ、マニア目線では、0番よりも2番や112番が魅力的と感じるものの、それらより安く、なおかつOPロゴなどの要素も備えている0番は、実はコスパ的な観点では悪くない選択肢だとも感じます。