1996年にデビューした第1世代のオーバーシーズには、様々な文字盤色が存在し、アクアノートと比較してかなりラインナップが多い印象です。
男性用に、ラージとミディアムを用意するという点はアクアノートと同じなのですが、オーバーシーズの場合、ラージにもクオーツモデルが用意されているという特徴があります。
そのため、文字盤色、ケースサイズ、ムーブメントという3つの観点によって相場が異なるといえます。
ただ、近頃は、文字盤色が相場に与える影響は少なく、ケースサイズとムーブメントで価格序列が分かる傾向があります。
特に評価されるポイントだといえるのが、ラージサイズという要素で、クオーツモデルでもラージサイズは相対的に高いといえる様子を見かけました。
また、第1世代においてラージサイズは見かけることが少なく、価格序列が高めというだけでなく、数が少ないという印象もありました。
分かりやすく価格序列を示すと、ラージ(自動巻)>ラージ(クオーツ)≧ミディアム(自動巻)>ミディアム(クオーツ)といった感じだといえます。
例えば、2017年には既にラージが特に高いという傾向になっており、ミディアムの自動巻が約56万円だった一方で、ラージの自動巻は約76万円という水準だったのです。
しかし今、そんなラージのオーバーシーズに異変が起きており、2017年よりも下落傾向という様子となっている状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年3月 の安値(楽天) |
2018年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ 42042/423A |
中古 | 1年 9ヶ月 |
¥767,800 | ¥698,000 | -69,800 | 90.91% |
ラージの第1世代オーバーシーズが値下がり傾向となった2018年ですが、これまでオーバーシーズ全体としては値上がりが目立っていたように感じ、特に夏頃にはそういった傾向が強かったように思います。
第二世代の3針モデルは、目立った値動きとなっており、現在でも下落傾向となっていない様子ですし、デュアルタイムなども値上がりしています。
そのような状況で、2017年3月時点で高い価格序列となっていた第一世代のラージ自動巻が値下がりとなるのは興味深い様子だといえます。
また、この記事の個体は白文字盤ですが、黒文字盤の個体も約70万円となっています。
ミディアムの自動巻は2017年に50万円台だったのが、2018年現在では60万円台という水準。ミディアムが上昇傾向の一方で、ラージが値下がりしたことにより、ミディアムとラージの価格差はかなり狭まった状態となっています。
この数年、ラージのオーバーシーズは、数が少なく、ミディアムよりもそこそこ高いという印象があったのですが、それが異なる状況となっているのは、久々の変化だといえます。