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現在相場考察

ラージの評価は変化した、オーバーシーズ42042/423A

2018年12月4日更新
ヴァシュロンコンスタンタンのオーヴァーシーズ42042/423Aについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年3月の安値(楽天)と2018年12月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年9ヶ月での変動は6万9800円の値下がりだった。

オーバーシーズ 42042/423Aについての考察(2018年12月)

1996年にデビューした第1世代のオーバーシーズには、様々な文字盤色が存在し、アクアノートと比較してかなりラインナップが多い印象です。

男性用に、ラージとミディアムを用意するという点はアクアノートと同じなのですが、オーバーシーズの場合、ラージにもクオーツモデルが用意されているという特徴があります。

そのため、文字盤色、ケースサイズ、ムーブメントという3つの観点によって相場が異なるといえます。

ただ、近頃は、文字盤色が相場に与える影響は少なく、ケースサイズとムーブメントで価格序列が分かる傾向があります。

特に評価されるポイントだといえるのが、ラージサイズという要素で、クオーツモデルでもラージサイズは相対的に高いといえる様子を見かけました。

また、第1世代においてラージサイズは見かけることが少なく、価格序列が高めというだけでなく、数が少ないという印象もありました。

分かりやすく価格序列を示すと、ラージ(自動巻)>ラージ(クオーツ)≧ミディアム(自動巻)>ミディアム(クオーツ)といった感じだといえます。

例えば、2017年には既にラージが特に高いという傾向になっており、ミディアムの自動巻が約56万円だった一方で、ラージの自動巻は約76万円という水準だったのです。

しかし今、そんなラージのオーバーシーズに異変が起きており、2017年よりも下落傾向という様子となっている状況です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年3月
の安値(楽天)
2018年12月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ
42042/423A
中古 1年
9ヶ月
¥767,800 ¥698,000 -69,800 90.91%

ラージの第1世代オーバーシーズが値下がり傾向となった2018年ですが、これまでオーバーシーズ全体としては値上がりが目立っていたように感じ、特に夏頃にはそういった傾向が強かったように思います。

第二世代の3針モデルは、目立った値動きとなっており、現在でも下落傾向となっていない様子ですし、デュアルタイムなども値上がりしています。

そのような状況で、2017年3月時点で高い価格序列となっていた第一世代のラージ自動巻が値下がりとなるのは興味深い様子だといえます。

また、この記事の個体は白文字盤ですが、黒文字盤の個体も約70万円となっています。

ミディアムの自動巻は2017年に50万円台だったのが、2018年現在では60万円台という水準。ミディアムが上昇傾向の一方で、ラージが値下がりしたことにより、ミディアムとラージの価格差はかなり狭まった状態となっています。

この数年、ラージのオーバーシーズは、数が少なく、ミディアムよりもそこそこ高いという印象があったのですが、それが異なる状況となっているのは、久々の変化だといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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