パネライがリシュモングループ入りした1997年は「PreA」といわれる時代ですが、その時代に、気合が入ったモデルが1つ投入されました。
その存在こそ、ロレックスのデッドストックムーブメントを搭載したプラチナモデルPAM00021であるのですが、流通が少なく、売られていることを見かける機会が少ない存在です。
PAM00021という存在は、戦中のオリジナルパネライに忠実なデザインで、47mmという巨大ケースサイズで登場。「パネライ」という存在を世の中に知らしめるモデルとして機能していたように感じます。
つまり、このPAM00021をもって、
というパネライとは何か、ということを時計ファンに対して一言で説明したといえます。
そして、2002年頃からパネライは見事に大ヒットし、その後も多くの人から人気を得ています。
2005年前後という時代から、パネライはそれまでのマニアック路線からマス路線へとかじを切った印象となり、高級だったラジオミールをルミノールと変わらないラインナップとするなどの変更をしています。また、2006年からは自社ムーブメントを搭載するモデルを発表しています。
そんな2006年という時期に発表されたのが、このPAM00232というモデルなのですが、これは先程のPAM00021を復刻させたといえる存在です。
見た目はほぼ同じでも、PAM00021がプラチナケースにロレックスムーブメントだったのに対し、PAM00232はステンレスケースにETAベースの機械となっており、多くの人にとって手が出しやすいバージョンとなっています。
ただし、パネライはこれを通常モデルとしては発表せず、限定モデルとして発表。今においてもレアモデルという印象があります。
そのため、相場は評価されているのかと思うところですが、実はこのPAM00232は1年少し前と比較して値下がり傾向となっています。
2017年9月時点でも、2009年7月と比較してほぼ相場が変わっていなかったのですが、2018年の今となってはそれら時期より値下がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値(楽天) |
2018年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00232 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥699,800 | ¥598,000 | -101,800 | 85.45% |
近頃、パネライにおいて値下がりとなっているモデルが目立っている印象ですが、それらは定番モデルという印象があります。
その一方で、2000年代前半のレアモデルは値下がりしておらず、PAM00069などは値上がり傾向となっています。
ですから、このPAM00232という存在は、PAM00021のカジュアル復刻バージョンでという点や、レアということを考慮すると値下がりとなるのは不思議だとも感じます。
特に、2017年9月の段階で、2009年と比較して相場が変わっておらず、お得感があったのに、その時期より値下がりしてしまっているというのは、不思議だといえます。
このPAM00232は、一見すると他のパネライと大きく違う存在であるということに気づかれにくいのかもしれません。
しかし、実際はPAM00021のカジュアル復刻版という点や、生産数が限られているという点があり、コレクターからすると魅力的な存在だと思います。
ですから、2009年とも比較して値下がり傾向となっている今、このPAM00232は検討しがいのある存在だといえます。