腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

3針より80万円以上高くなった、ノーチラス5726/1A-010

2018年12月24日更新
パテックフィリップのノーチラス5726/1A-010について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年8月の安値(楽天)と2018年12月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この4ヶ月での変動は65万9600円の値上がりだった。

ノーチラス 5726/1A-010についての考察(2018年12月)

2010年にデビューしたノーチラス年次カレンダーモデル、5726/1A

今ではコンプリケーションノーチラス当たり前という存在感となっていますが、かつては「年次カレンダー」と「ノーチラス」は全く別の存在という印象がありました。

年次カレンダーはその機構が示すように高級要素そのものですが、ノーチラス2000年代後半には既に“高いモデル”という印象となっていたため、それら高い要素を組み合わせた5726という存在は、高い要素の組み合わせと感じました。

しかし、2017年から3針青文字盤の5711/1Aが大きく上昇し、コンプリケーションを凌ぐほど高い価格帯へと変化。そして、2018年に5711/1A500万円台後半となった際、ついにこの5726/1A-010よりも高い中古相場となってしまったのです。

かつての常識であれば、3針よりコンプリケーションのほうが安くなるということはなく、まして年次カレンダーという要素がそのようなことになるとは考えられませんでした。

ですから、3針よりも年次カレンダーのほうが安いというのはかなり驚く現象だったといえます。

けれども、そんな年次カレンダー5726/1A-010はその後きちんと上昇し、3針より安くなってから2ヶ月後には、再度3針より高いという状況に回復しています。

そして、それから4ヶ月経った今、この5726/1A-010はさらに60万円以上も上昇し、なんと3針よりも80万円以上高くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年8月
の安値(楽天)
2018年12月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
5726/1A-010
中古 0年
4ヶ月
¥5,950,000 ¥6,609,600 659,600 111.09%

2017年から2018年にかけて目立った値動きをした5711/1A青文字盤は、500万円台後半となって以降、値動きが停滞気味といえる様子ですが、コンプリケーション5712/1Aやこの5726/1Aの値動きは停滞していない様子です。

そのため、一時は3針より安くなった各コンプリケーションは、いずれも3針より数十万円単位で高いという価格序列に回復

かつての5711/1Aのように、数ヶ月で数十万円単位の目立った値動きとなっているのです。

これらコンプリケーションの値動きは、5711/1Aの値動きに対して時間差で起こったようにも感じられますが、これは興味深い値動き事例の1つだといえます。

目立って値動きするモデルが出現した場合、それらに関連するモデルが遅れて値動きすることは、デイトナでも見られる現象です。実際、デイトナ16520が値動きした後でも、YGの16528が目立って上昇したりしていますし、最近でも革ベルトの1651816519が目立って上昇しています。

ノーチラスコンプリケーションモデルは、デイトナでいうYGモデルに相当する高級モデルだといえ、1652016528のように、5711/1Aに対応する高級モデルという印象です。

ただ、ノーチラスの場合、この5726/1Aの他にも、5712/1A5711/1Rなどがあるため、5711/1Aに対応する高級モデルは多々あるといえます。

多々あるといっても、それら上位モデルはいずれも上昇している傾向がありますが、そういった上位モデルのキャラクターはいずれも「強い」といえるため、存在を認識されているのだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。