ロレックスの5桁世代といえば、90年代から2000年代にかけて製造されていたという印象がありますが、同じような見た目のモデルが80年代にも存在しています。
80年代のロレックスといえば、デイトナやエクスプローラーがそうだったように、4桁リファレンスの時代という印象がありますが、GMTマスター2やサブマリーナなど、一部モデルには新世代のデザインが早く取り入れられていたのです。
当時において、それら新世代デザインのモデルは、新しく高級という印象だったかもしれません。
しかし、90年代後半になると、そういったデザインはむしろ「当たり前」であったため、逆に古く見えるエクスプローラーやデイトナのほうが評価されていたのです。
ただ、80年代に存在した新世代デザインの各モデルは、90年代後半時点でも「アンティーク」と呼ばれており、当時現行だった5桁世代とは異なる扱いとなっていました。
それら新世代のデザインが採用された80年代モデルは、4桁世代とも5桁世代ともいえないため、80年代ヴィンテージとくくるのがわかりやすいのですが、ここ1年ぐらいにおいて、80年代ヴィンテージの一部モデルが評価されています。
80年代ヴィンテージは、見た目が5桁リファレンスにかなり近いため、これまで評価されるといっても、5桁リファレンスに対して「プラスアルファ」といった評価が多く、それほど価格帯が離れているわけではありませんでした。
ちなみに例外として、以前から評価されていた80年代ヴィンテージがありますが、それは有名な「アイボリー文字盤」という存在です。これはエクスプローラー2の1655白文字盤の一部に存在する文字盤なのですが、以前から目立って高い傾向があります。
それが2018年からは、アイボリー文字盤でなくとも、多くの80年代ヴィンテージが評価されるようになり、5桁世代の同モデルと比較して異なる価格帯に位置する状況となっています。
例えば、GMTマスター2の16760は、2016年11月の段階で約69万円だったのですが、現在は約139万円という水準になっています。ちなみに、5桁世代の16710は、2016年10月の段階で約56万円、現在では約91万円。ですから、2016年11月頃において約13万円の価格差だったのが、現在では約48万円の差となっているのです。
そういった傾向は、お伝えしたサブマリーナノンデイトの5513(フチなし)でも同様で、2016年頃より、現在のほうが価格差が広がっています。
さて、そんな80年代ヴィンテージという存在ですが、最も5桁世代との価格差がない傾向なのが、サブマリーナデイトであります。
サブマリーナデイトは以前から、16610との価格差が目立たず、今でも他の80年代ヴィンテージと比較するとそこまで評価されているとは感じません。
しかし、そんなサブマリーナデイトでも168000のほうは、16610に対して10万円以上の価格差をつけるようになっている様子があるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値(楽天) |
2018年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
サブマリーナ 168000 |
中古 | 1年 6ヶ月 |
¥666,500 | ¥848,000 | 181,500 | 127.23% |
168000は、1988年前後という短期間の間に製造されたレアモデルなのですが、その見た目が16610によく似ているため、一見するとレアモデルには見えません。
しかし、その生産年の短さや、168000という特殊なリファレンスから、レアモデルとしての濃いキャラクター性が十分備わっている存在ともいえるのです。
そのため、同じ80年代ヴィンテージでも、16800(フチあり)よりも評価される傾向があり、2017年頃からは16610よりも10万円ほど高い相場となっています。
ちなみにこの168000は、2016年においては16610と同じ価格帯に位置していたため、2017年頃から5桁世代と異なる相場となった様子です。
なお、2017年6月時点から現在にかけて約18万円の値上がりとなっていますが、16610も同じような水準の値動きとなっているため、この1年半ほどの値動きにおいては、この168000だけが特別動いたというわけではありません。