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現在相場考察

さすがP番、デイトナ16520P番の様子

2019年1月1日更新
ロレックスのデイトナ16520について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年1月の安値(楽天)と2019年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は182万5680円の値上がりだった。

デイトナ 白文字盤 P番 16520についての考察(2019年1月)

16520といえば「高い」という印象がありますが、「高い」と感じるのは同じでも、その“高さ”は時期によって異なるといえます。

例えば、90年代後半においては、定価65万円(税別)に対して新品実勢価格が100万円以上という水準だったため、「高い」と感じたことでしょう。また、現在では、2016年頃まで120万円だった中古相場が220万円台となっていることが「高い」と感じるかもしれません。

そして、そんな16520には、同じ16520でも特に高くなる要素が存在し、それら要素を持つものは、通常の16520とは、また違った価格帯に位置しているのです。

その要素には、いくつかの種類があるのですが、古くて評価される傾向と、新しくて評価される傾向の2つがあるといえます。

古くて評価されるのは、200タキメーターや4段文字盤なのですが、これらは古いモデルに存在する傾向があります。

そして、新しくて評価される存在こそ「P番」という存在なのですが、なぜ評価されるかというと最終世代だからです。

ロレックスの最終世代は評価される傾向がありますが、その中でも最も有名なのがこの16520P番だといえます。

P番は、2000年に製造された年式なのですが、2000年といえば116520がデビューした年です。

通常、新作が登場する年には、旧作は生産終了となっていることが多く、新作登場年の製造番号はない場合が多いといえます。

しかし、16520の場合、1165202000年8月に登場したため、同じ2000年に新旧両者が製造されていたのです。これは、GMTマスター216710も同様で、新作登場年が最終品番となっている点が16520と共通しています。

そして、新作登場年の最終品番は、切り替えということもあって、数が少ないため特にレアとなるのです。

ですから、デイトナ16520のP番は、2000年代前半の時代から特に高く評価されている存在として有名で、16520の中でも大きく異なる価格帯に位置しているといえます。

では、そんなP番の16520は、今年どのような水準となっているかというと、なんと400万円台後半に達しており、1年前と比較して180万円以上も上昇しているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年1月
の安値(楽天)
2019年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
白文字盤
P番
16520
中古 1年
0ヶ月
¥2,974,320 ¥4,800,000 1,825,680 161.38%

16520は2017年に目立って高くなりましたが、200万円台となった夏以降、値動きが停滞気味となり、長らく200万円前後となっていました。

それが、2018年の春頃から再度値動きをするようになり、今では220万円台という水準に達しています。

この220万円台というのは、ボトム価格ですが、近年16520においてボトム価格にいる傾向があるのは、T番やU番など最終世代の1つ前という比較的新しい年式です。

90年代において、ロレックスは全体的に新しい要素が採用されたのですが、それら要素で大きなものが発光塗料の変更です。

デイトナにおいては、A番から発光塗料がトリチウムからルミノバに変更されたのですが、ルミノバのほうが評価される傾向があります。

近年では、トリチウムのほうが高評価となっていることも多く感じますが、デイトナにおいてルミノバのほうが高いというのは、2000年代前後の文化を踏襲しているともいえます。

2000年前後においてルミノバは、いまでいうクロマライト的な新しさだっため、人気があったのです。

デイトナのP番は、以前から特別な存在ですが、16520が特に評価される今において、400万円台となっているのは、「さすがP番」という感想になります。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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