2017年から多くの腕時計が値上がりし、以前と比較してずいぶん異なる価格帯となっている存在が多いように感じます。
例えば、2017年7月の段階では、エクスプローラーの14720は30万円台後半で購入可能でしたが、今となっては40万円台となっています。
14270は、他のロレックススポーツモデルと比較して値動きしない傾向があり、あまり優秀とはいえない側面もあります。
しかし、それでも2017年と現在とでは大きく相場が異なる印象となります。
では、ピアジェはどうかというと、2017年から今にかけてエクスプローラーほどの値動きとはなっていない様子です。
かつての記事でも指摘したとおりピアジェは、
という側面があるため、いつ評価されるのかと思っているのですが、なかなか評価されない傾向があるといえます。
このアップストリームというモデルは、2001年頃に当時の新型ポロとともにデビューした存在で、ピアジェ初となるステンレスモデルとしてデビューしました。
当時は、ピアジェ唯一のステンレスとして、同じカジュアルスポーツのアクアノートやオーバーシーズのライバルというような存在感となっていましたが、今となってはそれら雲上スポーツとは比較にならない価格帯に位置しています。
それでも、このアップストリームは、2017年と比較すると値上がり傾向で、このクロノグラフに限らず、3針モデルも上昇しています。
特に3針は、現在50万円台となっており、以前の40万円台前半という水準と比較すると10万円ほど高くなっている様子です。
このような傾向は、これまでのピアジェにはなく、やっと評価される兆しが見えてきたといえるかもしれません。
けれども、値上がり傾向といっても、このアップストリームの30万円台後半という水準を見ると、まだ評価されていないとも取れます。
3針が50万円台となった一方で、クロノグラフはなぜ30万円台で入手可能なのかというと、それはクオーツだからです。
ただ、クオーツといってもピアジェの自社製であり、かつては3針と同価格帯かやや高いぐらいの価格帯だった存在でもあります。
また、秒針が無いため、クオーツ独特のステップ秒針の動きを日常的に見るということにもならず、時計ファンの普段遣い用としてもなかなか良い存在だと思います。
よって、このアップストリームのクロノグラフは、
という内容なのに、30万円台で入手できるため、時計ツウが選ぶ普段遣いの1本として、なかなか良い選択だといえるのではないでしょうか。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値(楽天) |
2019年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ピアジェ
アップストリーム GOA26007 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥338,200 | ¥398,000 | 59,800 | 117.68% |
ピアジェのアップストリームという存在は、2019年の今、知る人は少ないかもしれません。
その理由こそ、2016年にデビューした「ポロS」という存在のキャラクターがこれと似ているためであると思うのですが、「ポロS」は従来のポロをカジュアルにしたという点で、アップストリームの後継モデルともいえます。
ピアジェは、2016年以降その「ポロS」を大々的に売り出しているわけですが、それは従来高級モデルだったポロのイメージをぼんやりとしてしまうという効果になってしまっているように感じます。
「S」が付いても「ポロ」であるため、キャラクターがはっきりとせず、どの時計のライバルなのかも分かりづらいといえます。
ちなみに、筆者がピアジェの店員さんに「アップストリーム」という単語を出したら、「なんですかそれは?」と言われたことがあります。
ということで、このアップストリームは、どうやらその存在自体があまり認識されていない様子があるのですが、様々な観点から、30万円台という価格帯において、時計自体の内容や定価からすると、今最もお得感の強い存在だと感じます。