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現在相場考察

未だ30万円台で購入可能、ピアジェアップストリームGOA26007

2019年1月11日更新
ピアジェのアップストリームについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年6月の安値(楽天)と2019年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年7ヶ月での変動は¥59,800だった。

アップストリーム GOA26007についての考察(2019年1月)

2017年から多くの腕時計が値上がりし、以前と比較してずいぶん異なる価格帯となっている存在が多いように感じます。

例えば、2017年7月の段階では、エクスプローラーの14720は30万円台後半で購入可能でしたが、今となっては40万円台となっています。

14270は、他のロレックススポーツモデルと比較して値動きしない傾向があり、あまり優秀とはいえない側面もあります。

しかし、それでも2017年と現在とでは大きく相場が異なる印象となります。

では、ピアジェはどうかというと、2017年から今にかけてエクスプローラーほどの値動きとはなっていない様子です。

かつての記事でも指摘したとおりピアジェは、

  • マニュファクチュール
  • 超高級ブランド
  • という側面があるため、いつ評価されるのかと思っているのですが、なかなか評価されない傾向があるといえます。

    このアップストリームというモデルは、2001年頃に当時の新型ポロとともにデビューした存在で、ピアジェ初となるステンレスモデルとしてデビューしました。

    当時は、ピアジェ唯一のステンレスとして、同じカジュアルスポーツアクアノートオーバーシーズのライバルというような存在感となっていましたが、今となってはそれら雲上スポーツとは比較にならない価格帯に位置しています。

    それでも、このアップストリームは、2017年と比較すると値上がり傾向で、このクロノグラフに限らず、3針モデルも上昇しています。

    特に3針は、現在50万円台となっており、以前の40万円台前半という水準と比較すると10万円ほど高くなっている様子です。

    このような傾向は、これまでのピアジェにはなく、やっと評価される兆しが見えてきたといえるかもしれません。

    けれども、値上がり傾向といっても、このアップストリーム30万円台後半という水準を見ると、まだ評価されていないとも取れます。

    3針が50万円台となった一方で、クロノグラフはなぜ30万円台で入手可能なのかというと、それはクオーツだからです。

    ただ、クオーツといってもピアジェの自社製であり、かつては3針と同価格帯かやや高いぐらいの価格帯だった存在でもあります。

    また、秒針が無いため、クオーツ独特のステップ秒針の動きを日常的に見るということにもならず、時計ファンの普段遣い用としてもなかなか良い存在だと思います。

    よって、このアップストリームのクロノグラフは、

  • マニュファクチュール
  • 雲上スポーツに匹敵する高級モデル
  • クオーツならではの楽さ
  • という内容なのに、30万円台で入手できるため、時計ツウが選ぶ普段遣いの1本として、なかなか良い選択だといえるのではないでしょうか。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2017年6月
    の安値(楽天)
    2019年1月
    の安値(楽天)
    変動額 残価率
    ピアジェ
    アップストリーム
    GOA26007
    中古 1年
    7ヶ月
    ¥338,200 ¥398,000 59,800 117.68%

    ピアジェアップストリームという存在は、2019年の今、知る人は少ないかもしれません。

    その理由こそ、2016年にデビューしたポロSという存在のキャラクターがこれと似ているためであると思うのですが、「ポロS」は従来のポロをカジュアルにしたという点で、アップストリームの後継モデルともいえます。

    ピアジェは、2016年以降その「ポロS」を大々的に売り出しているわけですが、それは従来高級モデルだったポロのイメージをぼんやりとしてしまうという効果になってしまっているように感じます。

    「S」が付いても「ポロ」であるため、キャラクターがはっきりとせず、どの時計のライバルなのかも分かりづらいといえます。

    ちなみに、筆者がピアジェの店員さんに「アップストリーム」という単語を出したら、「なんですかそれは?」と言われたことがあります。

    ということで、このアップストリームは、どうやらその存在自体があまり認識されていない様子があるのですが、様々な観点から、30万円台という価格帯において、時計自体の内容や定価からすると、今最もお得感の強い存在だと感じます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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