近代的なワールドタイムは、2000年にデビューした5110が初代となりますが、それ以前のモデルは1950年代頃までに製造されたレアピースとなります。
そのため、2000年に5110がコンプリケーションとして発表された際には、高い注目度となり、特に2000年代前半においては、年次カレンダーとともに、「憧れのパテックといえばこれ」という存在感となっていたように感じます。
そんなワールドタイムの中で、青文字盤はプラチナモデルだけに用意され、特に目立っている印象がありました。
プラチナモデルだけが青文字盤ということは、その後のワールドタイムにおいても変わりありませんが、特にこの5110の時代には目立っていたと思います。
2000年代前半という時代は、今とは異なりノーチラスへの注目度が低く、「ノーチラスは、本来のパテックの姿でない」とも言われていました。
当時のノーチラスのイメージとしては、ワールドタイムなどを持っている人が、2本目以降のパテックとして、セカンド時計として使うというのが良しとされていたと感じます。
しかし、今となってはノーチラスが世界的にもっとも人気のあるパテックフィリップといっても過言ではなく、若い人からも憧れられる存在となっています。
そして、かつてはノーチラスより倍以上高かったこのプラチナワールドタイムも、今となっては、ノーチラスより百万円単位で安い価格序列となってしまっているのです。
また、ノーチラスが目立った値動きをしている一方で、この5110Pは2016年から値動きが停滞気味となっており、ある種のお得感がある状態ともいえる状況でもあるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年6月 の安値(楽天) |
2019年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ワールドタイム 5110P |
中古 | 2年 7ヶ月 |
¥3,780,000 | ¥3,780,000 | 0 | 100.00% |
この5110Pは、2016年6月時点において、378万円という水準でしたが、それから2年以上の月日が経過した2019年現在でも2016年同様に378万円で入手可能です。
2016年と2019年の間には、ノーチラスなど多くの腕時計が目立って値動きした時期が含まれますが、そのような期間を含む比較でも、5110Pは相場が変わっていないのです。
ちなみに2016年といえば、多くの時計が安くなった時期という印象もありますが、安くなったのは8月頃からだったため、6月時点ではそれほど下落の影響を受けていなかったと思います。
ただ、値下がり傾向でなくとも、2017年の水準と比較すると相場は安めだったともいえるため、やはりこの5110Pは値動きの観点では優秀でないといえます。
現在、多くのパテックフィリップが高くなったという印象がありますが、この5110Pは2016年6月と比較して全く変わっていない水準なのです。そのため、以前から欲しかった人にとっては、選択しやすい価格帯に位置するモデルといえます。
そういったある種のお得感は、プラチナワールドタイムという高級なキャラクターからすると意外と感じます。