パテックフィリップといえば高い技術力を誇るマニュファクチュールという印象がありますが、クロノグラフのムーブメントは、以前はレマニア製を使っていたということがあります。
それは、同じくマニュファクチュールのロレックスも同様で、16520の時代までエルプリメロベースだったというのは有名です。
ロレックスは、2000年からクロノグラフを自社製としましたが、パテックフィリップも2006年から自社製クロノグラフを展開しています。
かつてのクロノグラフモデルは、金無垢ケースに革ベルトという存在でしたが、初の自社製クロノグラフは、それまでコンプリケーションモデル自体が無かったノーチラス、それもステンレスに搭載したのです。
このクロノグラフが登場したのは2006年のことですが、前年2005年にノーチラスとして初のコンプリケーションモデルである3712/1Aが登場した翌年に自社製クロノグラフが登場したわけですから、多くの人が驚いたことでしょう。
ただ、そんなノーチラスのクロノグラフは、その機構から上級モデルとして、相対的に高い価格帯に位置。そのため、これまで目立った値動きをする印象はありませんでした。
ただ、ここ数年は、この5980/1Aはとても目立った値動きとなっており、中でも2010年に登場した黒文字盤の5980/1A-014の値動きが目立っていました。
5980/1A-014は2017年からかなり目立った値動きとなっており、1年で160万円の上昇となって驚いたと思ったら、その4ヶ月後にはさらに180万円の値上がりとなる様子があったのです。
では、現在、-014はどのような水準になっているのか興味深いところですが、-014の売出しはなく、確かめられない状況です。
しかし、青文字盤の5980/1A-001はいずれも900万円台後半となっており、前回記事でお伝えした際の水準を大きく上回るどころか、2018年4月における-014の水準からも100万円以上高くなっているのです。
そして、この白文字盤の5980/1A-019を例としても、2018年7月から約半年という期間で、なんと127万円以上も価格が変化。
この5980/1Aという存在は、以前からかなりな高価格帯ながら、目立った値動きを繰り返しており、同じく高価格帯であるプラチナデイトナよりもさらに凄い変動額となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年7月 の安値(楽天) |
2019年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1A-019 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥7,703,900 | ¥8,980,000 | 1,276,100 | 116.56% |
5980/1Aは文字盤色を問わず急激に値上がりの模様ですが、その理由として大きいのは生産終了という要素だと思います。
ただ、5980/1Aが生産終了といっても、コンビモデルの5980/1ARは現行モデルとしてラインナップされていますし、ステンレスに関しても事実上の後継モデルといえる5990/1Aという存在があります。
それでも、5980/1Aがこれほどまでに値動きするのは、やはり世界中でこれを欲しいと思う人が多いのでしょう。
デイトナがそうであるように、ステンレスクロノグラフという要素は人気が高い傾向がありますが、ノーチラスの場合、プラチナデイトナすらを大きく上回る値動きかつ、1000万円近い高価格帯となっている点が「凄い」という感想になります。
プラチナデイトナの記事でもお伝えしましたが、値動きする高価格帯という水準は、年々高まっていると感じます。
かつてのそれは、100万円台だったのが、その後300万円台となり、今では1000万円近くにまでなっているというのが、このノーチラスの事例から感じ取ることができるのではないでしょうか。