「レフティ」と呼ばれるパネライがありますが、それらは竜頭が左側に付いた「左利き」モデルという存在です。
左利き専用の時計という存在は、パネライの他にあまり見かけませんが、パネライにおいてのそれは「PVD」などとともに、目立って評価される傾向があります。(PVDのレフティも存在)
レフティを愛用する人は、必ずしも左利きというわけではありませんし、右腕ではなく、左腕に「レフティ」をつける方もいる模様です。
ですから、このレフティというパネライは、先のようにPVD同様、ある種のレアパネライとして評価されているといえます。
90年代後半から2000年代前半頃までのパネライは、今よりラインナップがシンプルな構成でしたが、その際、オーソドックスなモデルに“変わり種”といった形でPVDなどが用意されていました。
通常の基本モデルがステンレスで文字盤は黒と白が用意。それに対して、変わり種がPVD&レフティという構成だったのです。また、PVDのポジションは2000年からチタンとなり、以降はステンレスという基本に対して、チタンとレフティが存在するということになりました。
さて、そんなレフティという存在ですが、その多くは『2針+スモールセコンド』というラインナップ。パネライといえば、GMTやパワーリザーブが人気ですが、そういった派生モデルはレフティではほぼ用意されておらず、通常モデルとして存在するのはこのパワーリザーブ1つしかありません。
パワーリザーブといえば、最近まで現行モデルとして存在したPAM00090が有名ですが、このPAM00123という存在は、その90番の文字盤を上下逆にしたというようなモデルです。
通常のレフティとは異なり、デイト表示が付いているのはもちろん、左上にはパワーリザーブインジケーターもついており、まさに「逆さま」という印象を文字盤から感じます。
この123番がラインナップされていたのは2002年から2004年の3年間ですが、当時としてもあまり見かけないモデルであり、比較的レアだといえる存在です。
そのためこの123番の評価はしっかりと高く、2012年の時点で50万円台という水準に位置していました。
2012年といえば、多くのパネライが安かった時代ですから、その時期と現在の水準を比較すると値上がりしていて当然という印象もあります。
ただ、52番などレアパネライの一部は2012年よりも2017年のほうが安いということもあるため、このパワーリザーブレフティが高くなっているとは限りません。
しかし、この123番は2012年と比較すると、28万円以上も高くなっており、なかなか優秀な値動きとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年9月 の安値(ヤフオク) |
2019年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールパワーリザーブ PAM00123 |
中古 | 6年 4ヶ月 |
¥550,000 | ¥832,075 | 282,075 | 151.29% |
パネライにおいて最近感じるのは、値上がりするモデルと値下がりするモデルが、分かれる傾向があるという点です。
レアモデルのほうが比較的値上がりする傾向がありますが、先日お伝えした232番など限定モデルであるにもかかわらず値下がりするというモデルもあります。
ただ、レフティは、この123番に限らず、通常モデルよりも高い傾向があるため、レフティ自体が強い要素となっているように思います。
ですから、レフティという人気要素があり、なおかつそのレフティの中でも、かなりレアな「パワーリザーブ」という要素があるこの123番が、しっかりと評価されているというのは自然に感じます。