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現在相場考察

2017年より安く買える、パテックフィリップ5055G-001

2019年1月24日更新
パテックフィリップのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年9月の安値(楽天)と2019年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年4ヶ月での変動は¥-20,160だった。

コンプリケーション 5055G-001についての考察(2019年1月)

パテックフィリップといえば、ノーチラスなど値上がり傾向のモデルが目立っているという印象があります。

ノーチラスにおいて、現在特に値上がりが目立っているのは、コンプリケーションモデルですが、ノーチラスに限らずパテックフィリップコンプリケーションは、多くの人から憧れられる存在かつ、人気の高いモデルだといえます。

しかし、今となっては、非スポーツコンプリケーションの存在感は、以前よりも目立たないともいうことができます。実際、3針ステンレススポーツより、非スポーツ系の金無垢コンプリケーションのほうが安いという価格序列になっています。

例えば、ノーチラス3800/1A5055Gを比べると、3800/1A-001のほうが100万円以上高い中古相場となっているわけですが、2000年代前半の新品実勢価格や定価からは考えられない現象だといえます。

確かに現在、ノーチラスの人気は非常に高いため、ノーチラスを比較対象とすると、たとえコンプリケーションといえども勝てないのは仕方がないという見方もあるでしょう。

しかし、ノーチラスに対して、値上がり優秀度合いが弱いといえるアクアノート5065/1Aと比較しても5055Gは安く、まして5065より評価されていない5066/1Aと比べても5055Gのほうが安いのです。

2000年代前半に、筆者は5065/1Aを購入しましたが、実は当時この5055Gにあこがれていました。

つまり、2000年代前半の感覚だと、5065/1Aは頑張れば手が届く存在だった一方で、5055Gは手が届かない「雲の上」という感覚があったのです。

けれども、今となっては筆者が購入した5065/1Aのほうがこの5055Gより高いわけで、全くもって時代が変わったという感想になります。

まして、アクアノートノーチラスが2017年よりも値上がり傾向となっている一方で、この5055G2017年より若干安く購入可能という状況であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年9月
の安値(楽天)
2019年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
コンプリケーション
5055G-001
中古 1年
4ヶ月
¥2,178,000 ¥2,157,840 -20,160 99.07%

パワーリザーブインジケータ、ムーンフェイズ、針によるデイト表示というこのコンプリケーションは、今ではノーチラス5712の仕様として有名だと思いますが、2005年に3712が出るまでは、5054、5055、5085の3兄弟に設定された存在だったのです。

5054はクラシカルな見た目、5085はブレスレットかつSSモデルが用意されていた一方、この5055はパテックフィリップらしくないモダンなデザインが採用されていました。

筆者としては、この5055のモダンな感じが好きなのですが、これら3兄弟の中で最も人気があるのは5054で、逆に人気がないのが5055だと感じています。

ですから、個人的には5055Gを応援しているのですが、このモデルは評価されるどころか2017年より若干安く買えるということになっている状況です。

この5055Gという存在が、今後評価されるかは分かりませんが、筆者のように「これが好き」という人にとっては、2017年より安く買えるため、なかなかお得感を感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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