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現在相場考察

2016年並に下落、シャネルJ12 H0970

2019年1月25日更新
シャネルのJ12H0970について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年12月の安値(楽天)と2019年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年1ヶ月での変動は¥-49,680だった。

J12 H0970についての考察(2019年1月)

2003年に登場したシャネルJ12のホワイトセラミックという存在は、デビュー当時から高い注目度となった存在です。

当時において、人気のあったブランドといえばフランクミュラーですが、フランクミュラーの高いモデルを買っている人が、ロレックススポーツモデルを買う感覚でこのメンズサイズのJ12を買っていたように感じます。

そんなH0970という存在は、なかなか値動きする傾向があるといえ、相場全体が高いときには高く、安いときには安いという価格帯になっていることをよく見かけます。

例えば、2008年のリーマンショック前は、時計相場が2000年代前半と比べてずいぶん高くなっていた時期ですが、このH0970の中古も「前よりずいぶん高くなった」と感じた記憶があります。

しかし、その後リーマンショックにより、腕時計相場全体が安くなるとこのH0970も下落傾向となり、2010年における中古相場は約25万円という水準になったのです。

そして、アベノミクス以降、腕時計相場が高くなるとこのH0970も相場が上昇。2015年には約41万円という水準にまで達しました。

しかし、2016年にロレックスなど多くの腕時計が安くなると、このH0970も20万円台という水準まで下落。2016年には何度か値下がりを繰り返し、12月時点では約23万円という水準になっていたのです。

この2016年12月の水準ですが、なんと2010年時点の約25万円より安いのです。2016年は2015年などと比べると相場が安くなった時期ではありますが、ロレックスなどで2010年頃より安くなったという存在は無いといって良いと思います。

ですから、いくら2016年という時代でも2010年よりも安くなってしまったこのH0970という存在は、その時点で何らかの異変が起きたというように感じます。

しかし、2017年に入るとこのH0970は反発し、相場が回復傾向となったのです。2017年にこの時計は、2度の上昇となり、12月時点では約28.9万円という水準にまで回復。

2017年は多くの腕時計が目立って上昇していたため、それらと同様にこのH0970が回復傾向というのは、それ以前の相場変遷を考慮すると、自然と感じました。

そして、2018年以降も多くのモデルは値上がり傾向が続き、2017年の水準より高くなっています。

そのため、このJ12H0970も2017年12月より更に上昇しているのかと思ったのですが、実はこの時計、なんと2016年12月と同水準にまで下落しているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年12月
の安値(楽天)
2019年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
シャネル
J12
H0970
中古 1年
1ヶ月
¥289,440 ¥239,760 -49,680 82.84%

このH0970は先のように、相場全体が高い時には高く、安いときには安いという値動きとなっていた時期が多かったといえます。

しかし、多くの腕時計の値上がりが目立っている今において、このH0970は2010年並の水準にまで下落しているのです。

近頃、多くの腕時計が目立って値上がりしている一方で、逆に2010年頃より安くなっている存在は、このJ12に限られるわけではありません。

それに該当するといえるのが、フランクミュラーカサブランカなどであるのですが、かつて人気の高かったブレスレットモデルはかつて30万円台で購入できるといった状況は稀だったのに対し、今では30万円台前半で買える状況となっていますし、20万円台後半という個体も目にします。

このH0970といい、2003年頃という時代において、とても人気の高かった存在が、今あまり注目されていない時代なのかもしれません。

かつて人気の高かったそれらモデルは、当時手が届かなかったという方にとって、今、かなり手が出しやすい時期だといえるでしょう。

今後これらモデルがどのような値動きとなるかは分かりませんが、需要が無いためさらに値下がりするのか、それともいずれはリバイバルという観点で再注目されるのか、どのようになるのか興味深いといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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