リシュモン時代パネライの最初期モデルであるPAM00002。
このモデルは、最もシンプルかつ、オリジナルに近いモデルとして、2002年頃にパネライが流行った際、高い注目度となっていました。
ただ、そんなPAM00002という存在は、実は2002年にはすでに生産終了となっており、後継モデルのPAM00112にその座を譲っていたのです。
2002年において、2番と112番の違いは裏蓋が「裏スケか否か」という差しかありませんでした。そのため、「裏スケ」という要素を持つ112番のほうが後に評価されるのかと思いきや、2019年の今において評価されているのは、2番のほうであるのです。
なぜ、PAM00002が評価されるのかといったら、その理由こそ、初期のパネライだからです。
この2番は、プレヴァンドーム時代の5218-201/Aとほぼ同様の内容となっており、PreA(97年)時代に作られていたのはもちろん、B番(99年)までの一部モデルにはトリチウム仕様の文字盤も存在しているのです。
この10年ほどの間においてパネライを知ったという方にとっては、今の時代のパネライの印象のほうが強いかもしれませんが、パネライにおいて最も評価が高くなる年式は2000年代前半までだといえます。
わかりやすくいえば、古ければ古いほうが評価が高いのですが、2000年代前半までは、そういった「古い時代のパネライ」に通じるキャラクターがブランド全体にあったのです。
パネライにおいて最も価値が高いのは戦中モデルですが、それは博物館級のレアモデルであるため、あまり流通もしませんし、いくらで取引されているかも不明です。
ですから、現実的に「相場」を把握可能な存在が、90年代前半のいわゆるプレヴァンドーム時代のモデルなのですが、この世代は200万円以上という価格帯となっている様子です。
そしてその次に高い世代が、リシュモン時代のPreAやA番などの初期モデルという価格序列になります。
さて、このPAM00002には、同じ型番でも、PreA(97年)からD番(01年)までが存在するわけですが、C番D番が最も安く、他の44mmパネライに近い価格帯となっています。
しかし、最も安いといってもこれら生産年のモデルでも、近代的なパネライを基準とすると実はしっかりと高く評価されており、値動きもする傾向があるのです。
実際、このPAM00002は、2017年9月の時点で約46万円という水準だったのが、2019年2月の今では、約53万円という水準に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値(楽天) |
2019年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00002 |
中古 | 1年 4ヶ月 |
¥468,000 | ¥537,840 | 69,840 | 114.92% |
近頃、パネライのオーソドックスなモデルは、評価されるどころか値下がり傾向となっているモデルが目立つように感じますが、このPAM00002は、2017年と比較してもしっかりと評価されているのです。
2017年において、44mmのシンプルパネライは40万円台前半というモデルが目立っていましたが、その際この2番は40万円台中盤だったことから、特に評価されていたということになります。
そして、2019年の今となっては、多くのシンプル44mmパネライが30万円台後半という価格帯に値下がりしているのですが、それらとは異なり、この2番はしっかり値上がりしているのです。
PAM00069などもそうですが、2001年までに生産されていた初期世代のパネライのように「強い要素」を持つモデルは、他のパネライとは異なり、評価される傾向があるといえます。