パネライのシンプルな44mmモデルは、相場が高いときには高く、安いときには安いというように、全体の値動きに影響される傾向があったといえます。
例えば、2008年にはリーマンショックがありましたが、44mm手巻きモデルの一部は、リーマンショック以降は20万円台前半にまで下落していました。
また、近年の値動きでもそれは同様で、2016年夏過ぎに多くの腕時計が安くなった際、44mm手巻きモデルも安くなっていたのです。実際、2015年まで40万円台中盤という水準が目立っていたルミノールベースは、2016年冬頃には30万円台後半という水準にまで下落していたのです。
2017年には多くの時計が高くなりましたが、それと同様に、ルミノールベースも40万円台前半という水準に上昇しました。
しかし、そんな手巻き44mmパネライは今、かつてとは異なる値動きとなっているのです。
2018年以降も多くの腕時計は高くなっているため、これまでの事例だと、ルミノールベースは他の腕時計と同様に値上がり傾向となっているはずです。
けれども、最近のルミノールは値上がりどころか値下がり傾向となっており、例えば、このPAM00114の事例のように、2017年11月に約42万円という水準だったのが2019年の今では、約36万円という水準にまで下落しているのです。
このような水準は、2016年の冬頃と同様か、それよりやや安いといえるため、相場全体の目立った上昇といった印象を考慮すると、ずいぶん異なる動き方になったという感想になります。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年11月 の安値(楽天) |
2019年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00114 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥427,680 | ¥369,360 | -58,320 | 86.36% |
近頃、パネライにおいて強く感じるのは、値上がりするモデルと値下がりするモデルがはっきり分かれる傾向があるという点です。
値上がりする傾向があるといえるのは、2000年代前半までに製造された比較的古く、レアな要素があるモデルであり、いずれも何かしらの強い要素があるといえます。
その一方で評価されてない傾向があるのは、2000年代中盤以降のオーソドックスなモデルだといえます。
ちなみに、2000年代前半から存在するモデルでも、2000年代後半まで生産され続けたモデルは、評価されない傾向があるといえます。
このPAM00114というモデルは、PreA(97年)から存在するPAM000010を裏スケ化した後継モデルですから、評価されても良さそうだと感じます。
しかしこの114番は2002年にデビューして以降、2010年代までラインナップされていたため、レアモデルという要素がなく、このような評価となっているのでしょう。