マニュファクチュールかつ高級ブランドという要素を持ちながら、あまり注目度が高くないと感じるジャガールクルト。
特に最近は、相場が安定せず、同じ型番でも極端に安い個体が出てくるなど、相場を把握するのが困難な様子があります。
ジャガールクルトという存在は、パテックフィリップやオーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンなど、雲上ブランドに多数のムーブメント供給実績があり、ちょっと古い雲上のムーブメントは大体がジャガールクルトだといっても過言でないほどです。
そういった事情があるにもかかわらず、ジャガールクルトの最近の安定しない様子は、なぜそうなってしまうのだろうというように疑問に思う点があります。
おそらく、そういったことの理由として大きいのが、ジャガールクルトのラインナップ数の多さでしょうが、比較的有名なモデルでも、相場が安定しない傾向があるのです。
さて、そんなジャガールクルトにおいて、このマスタージオグラフィークのPGモデルである142.2.92は相場が把握可能という様子なのですが、マスタージオグラフィークの金無垢モデルは、以前から不思議と相場が安定する傾向があります。
マスタージオグラフィークは、ステンレスだと同年式のレベルソと同水準かやや高いぐらいの水準であるのに対し、金無垢だとなぜだかレベルソよりはっきりと高い傾向があるのです。
そして、このPGマスタージオグラフィークは、相場が把握可能というだけでなく、過去と比較してしっかりと値動きしており、この1年数カ月の間で10万円以上上昇している様子となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年5月 の安値(楽天) |
2019年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ジャガールクルト
マスタージオグラフィーク 142.2.92 |
中古 | 1年 9ヶ月 |
¥961,200 | ¥1,077,840 | 116,640 | 112.13% |
マスタージオグラフィークは、パワーリザーブインジケーターとワールドタイムの機能を様子、それらが左右対称に配置されているというコンプリケーションモデルです。
このような機構は、その機能があるということへの満足度の高さだけでなく、実用的にも便利だといえます。
そして、通常、こういった機能を要する腕時計は、ずいぶん高い価格帯に位置するのが常といえるのですが、ジャガールクルトの場合は、値上がり状態のPGモデルでも依然110万円以下で購入可能であるのです。
現在、このPGマスタージオグラフィークと同価格帯なのは、ロレックスであれば、GMTマスター2の116710LNですが、機能や元の定価という観点ではジャガールクルトのほうがだいぶお得感が強いといえるでしょう。
ただ、116710LNはこの数年間、値上がり状態が続いているため、値上がりという観点ではこのマスタージオグラフィークより優秀です。