シンプルなエナメル文字盤にブレゲ針というこの時計は、2000年代において、カラトラバのライバル的価格帯に位置したモデルです。
YGとWGが用意されていましたが、現在の中古相場はYGが120万円台である一方、このWGモデルは140万円台という価格帯。
近頃、YGよりWGのほうが安いという傾向があるなか、この5140というモデルについてはWGのほうが評価されている状況です。
筆者はこの時計が現行モデルの頃から気になっていましたが、その際、よく目にしたのはWGモデル。
ですから、この5140についてはWGの印象が強く、YGよりWGのほうが数十万円ほど高いという今の中古相場はしっくりきます。
このブレゲは、いつの時代でも同世代のカラトラバのライバルという価格帯に位置しており、リーマンショック後の安い時期には80万円台と安かった一方、現在では140万円台という水準となっています。
リーマンショック後の時代、パテックフィリップの5000Jは、自動巻キャリバー240を搭載しているにもかかわらず中古80万円台という水準になっていました。そのため、その時期このブレゲが80万円台だったというのは、やはり納得という感想になります。
また、現在5000Jは130万円台という価格帯ですから、この5140BBはそれより10万円ほど高い水準となっているわけですが、それでも大きく離れているわけではないため、やはり自然な水準に位置していると感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2008年冬頃(タイムトンネル) | 2019年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ブレゲ
クラシック エナメル文字盤 5140BB/29/9W6 |
中古 | 10 | ¥899,800 | ¥1,480,000 | 580,200 | 164.48% |
この5140BBには通常文字盤とエナメル文字盤がありますが、通常文字盤のほうがクラシカルなデザインとなっており、エナメル文字盤のほうがどことなくモダンな印象を受けます。
パテックフィリップでもエナメル文字盤のカラトラバがありますが、クルドパリ仕様だったり、どこかクラシカルな雰囲気を漂わせている一方、ブレゲはあえてモダンな仕上げとし、絶妙なバランスとなっているのが独特な魅力だと感じます。
この5140BB/29/9W6いう存在は、エナメル文字盤という強い要素を持っている一方、あまり有名なモデルでないため、数ヶ月単位で相場が大きく動くというような値動きはしない傾向があるといえます。
しかし、このようなマニアックなモデルでも、世界中に一定のファンがいる限り、きちんとした評価を得るのだと思います。ですから、2008年頃との比較では、このようにきちんとした値動きとなっているのでしょう。