腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

30万円台になった、スピードマスターブロードアロー3551.50

2019年2月14日更新
オメガのスピードマスター3551.50について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年9月の安値(楽天)と2019年2月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年5ヶ月での変動は¥30,000だった。

スピードマスター ブロードアロー 3551.50についての考察(2019年2月)

2000年に高級なスピードマスターとしてデビューした「ブロードアロー」。

当時のスピードマスターにおいて、最も高級だったといえるSSモデルはムーンウォッチでしたが、それは高級なキャラクターというわけではありません。

それに対して、このブロードアローは、「高級」という要素を意識してラインナップされた存在であり、それまでのスピードマスターにはない要素を持った存在だといえるでしょう。

また、このブロードアローのデビュー時には、もう一つの高級モデルを用意。その存在こそ、ムーンフェイズなのですが、ベゼルがWGとなっており、やはり「高級」な要素を持っていた存在でした。

このムーンフェイズブロードアローは、当時、兄弟的なモデルという印象で、お店でも雑誌でも2つ同時に並べられていることが多かった記憶があります。

ただ、ムーンフェイズは白文字盤が基本となっていたため、よく見かけるブロードアローは白文字盤。

そのため、ブロードアローといえば白文字盤、という印象があったといえます。

ブロードアローには黒文字盤も存在するのですが、そういった事情もあってか、黒文字盤の中古相場は白文字盤よりも安めです。

2016年にはブロードアローの白文字盤が、中古で30万円以上という水準となっていましたが、その時期、黒文字盤は約24万円だったのです。

ちなみに、2010年という時代でも、この黒文字盤ブロードアロー約26万円でしたから、2016年の水準は2010年より安かったのです。

2010年といえば、多くのオメガが安かった時代で、ムーンウォッチの3570.5010万円台前半で購入可能でした。

2016年という時代において、3570.50は2010年の水準よりも10万円ほど高くなっていたため、黒文字盤ブロードアローの“2010年より安い”という水準は、異例だといえます。

しかし、そんな黒文字盤ブロードアローは2017年において20万円台後半となり、“2010年より高い”という状態まで回復。

そして、2019年現在において、この黒文字盤ブロードアローはついに30万円台という水準となり、2016年の白文字盤程度にまで上昇したのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年9月
の安値(楽天)
2019年2月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オメガ
スピードマスター
ブロードアロー
3551.50
中古 1年
5ヶ月
¥298,000 ¥328,000 30,000 110.07%

2017年9月から2019年2月までの1年5ヶ月の間において、この3551.50が値動きした額は3万円という水準ですから、値動きとしては決して派手というわけではありません。

しかし、長らく20万円台という水準だった黒文字盤ブロードアロー30万円台という水準になったということは、なかなかのインパクトがあると思うのです。

ブロードアローは、フレデリックピゲという高級ムーブメントを搭載した「高級なスピードマスター」ですが、この黒文字盤やオリンピックモデルなどは、2018年まで20万円台で購入可能だったのです。

しかし、2019年の今となっては、オリンピックモデルもこの黒文字盤も、30万円台という水準に達しており、以前のように「フレデリックピゲの最安値モデル」というわけではなくなっている様子です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。