スポーツロレックスには、イレギュラーなモノがわずかに存在し、そういったモデルは2000年前後という時代から、特に評価される傾向があります。
その中でも有名なのが、エクスプローラーの「ブラックアウト」であるのですが、通常モデルとは文字盤が異なるという特徴があります。
文字盤の違いによって、評価が高いモデルといえば「赤サブ」が有名ですが、「ブラックアウト」はさらにイレギュラーな存在だといえます。
「赤サブ」も謎の多いモデルですが、生産年は「ブラックアウト」と比べると長いですし、1680における「赤サブ」比率は、14270における「ブラックアウト」割合と比較すると多いといえます。
また、ブラックアウトにはいくつかの種類があり、最も有名なモノは『3・6・9』のアラビアインデックスの流し込み塗料が「黒」という仕様なのですが、流し込み塗料自体が無い仕様もあります。
ちなみに現行の214270では、2016年にマイナーチェンジされたモデルまで、「流し込み塗料自体が無い」ブラックアウト仕様でしたが、5桁世代におけるそれは、極端に数が少なくレアな印象がとても強いのです。
「ブラックアウト」という存在は、114270が登場する以前から有名なためか、14270にのみ存在するという印象もあるかと思います。けれども、114270にも「ブラックアウト」はあり、通常版と平行して少数が生産された模様です。
このように「ブラックアウト」にはいくつかの種類があるのですが、2000年前後の時代から「ブラックアウト」として有名なのは、流し込み塗料が「黒」という存在です。
また、この仕様は文字盤上の各表記が「白」ではなく「銀」となっている傾向があり、他のロレックスとは異なる不思議さがあるのです。
そのようなことから、この「ブラックアウト」は、通常の14270とは全く異なる価格帯にいる傾向が20年ほど前からあり、いつの時代も「高い」と感じます。
エクスプローラー14270といえば、2000年前後という時代において、現在の緑サブや116710BLNRのような人気度となっていた傾向がありますが、今ではスポーツモデルの価格序列においてボトムに位置。そのため、「ブラックアウト」
といえども、かつてほど高く評価されているとは限りません。
では、2019年3月の今、14270の「ブラックアウト」どのような様子となっているのかというと、なんと約1年前と比較して130万円以上も値動きしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年2月 の安値(楽天) |
2019年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー ブラックアウト 14270 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥1,119,000 | ¥2,484,000 | 1,365,000 | 221.98% |
約1年という期間で100万円以上の値動きということは、「かなり凄い」という感想になりますが、そのような値動きをするロレックスは、この「ブラックアウト」のように「かなり特殊」という要素を含む傾向があるように感じます。
1年前の水準でも、「ブラックアウト」は通常の14270と大きな価格差があったため「割高」と感じる価格帯だったといえますが、その水準は約111万円にとどまっていたのです。
110万円台という水準は、通常モデルと比較すると高いと感じますが、当時のスポーツモデルと比べると、相対的に高いとは思えません。
そういったことを考慮すると、2019年3月現在の200万円台という水準は自然に移り、むしろ2018年の価格が安かったのだと感じます。
「ブラックアウト」の14270は、2000年前後の時代から、赤サブより高かったぐらいの価格帯でしたから、今のように赤サブと同水準というのは、過去の事例を知っている筆者としては、なかなか納得できるのです。