「腕時計の王様」といえば、最近ではノーチラスを示す言葉のようにも思われているかもしれませんが、その元祖こそデイトナ16520という存在です。
16520は、日本でロレックスブームが起こった90年代後半に現行のSSデイトナだったモデルですが、その際、65万円(税別)という定価に対して、100万円以上という新品実勢価格となったことが話題となりました。
定価より実勢価格のほうが高い「プレミア価格」という現象は、2019年現在ではごく当たり前の現象として捉えられているように感じますが、99年当時においては、真新しい現象だったため、一時的なものとして捉えた方も多かったのではないでしょうか。
しかし、その後も16520は定価を下回ることはなく、リーマンショック後に下落した際でも定価より安く中古を購入することはかなり困難だったといえます。
そんなデイトナ16520という存在は、アベノミクス以降において大幅な値上がりをするかと思われたのですが、2016年頃までは「腕時計の王様」の割には地味な値動きとなっていたのです。
当時の値動きは、2013年対2015年でも約28万円の値上がりにとどまっており、16520の印象からすると「かなり弱い」と感じます。
そんな16520は、2016年12月から目立った値動きとなり、2017年には数ヶ月単位で10万円以上という値動きを何度も達成。2016年まで約120万円だったのが、2017年夏頃には200万円以上という水準になったのです。
けれども、2017年夏過ぎからは値動きが停滞気味に。その後値動きしたのは、2018年4月になってからのことですが、それからは2017年と比較すると緩やかな動き方になったとも感じました。
とはいえ、16520は地味な値動きとなっているわけでもなく、相変わらず優秀な値動きをしている状況で、2018年9月から半年の間で20万円以上の上昇となっているのです。
2013年から2016年頃までの約3年間の値動きである「約28万円」と比較すると、半年で20万円という現在の値動きはずいぶんと凄いと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年9月 の安値(楽天) |
2019年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 白文字盤 16520 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥2,259,000 | ¥2,462,400 | 203,400 | 109.00% |
現在、16520白文字盤のボトム価格は約246万円となっており、ついに240万円台中盤に達したことが分かります。
ちなみに黒文字盤には約239万円というボトム価格の個体がありますが、それを除くと黒文字盤も240万円台となっています。
また、現在16520は約66件がありますが、その中で240万円台の個体もすでに3つしかなく、それ以外の個体はさらに高い水準となっています。