2000年にPVDの後継モデルとして登場したチタンのパネライ。
チタン製の時計はステンレスより高いという傾向があるように感じ、2000年年代前半でもオメガなどはSSよりチタンのほうが高い相場でした。
けれども、当時パネライのチタンモデルの人気は低く、黒文字盤のSSルミノールベースがプレミア価格状態だった2002年頃でも、チタンモデルの入手難易度はかなり低く、不人気モデルという印象がありました。
その理由として大きいのは、チタンとなると「マットな」デザイン要素が採用されていた点だと思います。
当時のパネライにおいて人気が高かったのは「ツヤっと」したモデル。SSの黒文字盤や白文字盤などは、いずれもポリッシュのベゼルとミラータイプの文字盤が好印象だった様子です。
それに対して、チタンや青文字盤となると「ツヤなし」という印象で、SSでもサテン仕上げであったり、文字盤もミラーないなど人気が低かったのです。
しかし、今となってはそれが逆転。当時不人気だったPAM00069は50番などと比較して高い相場となっています。
ではルミノールマリーナはどうかというと、こちらもステンレスより高い傾向がある様子。
PAM00061は、PAM00001のチタンバージョンといえる存在ですが、現在40万円台後半という水準に位置しています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年7月 の安値(楽天) |
2019年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00061 |
中古 | 2年 8ヶ月 |
¥464,400 | ¥486,000 | 21,600 | 104.65% |
このような状況は2016年でも同様ですが、2019年現在でも変わっていない様子です。
最近お伝えしているように、2018年頃からパネライは値下がりするモデルが目立つ傾向がありますが、そういったモノはオーソドックスな様子が強い傾向があるといえます。
そういった意味では、このPAM00061はマニアック寄りなモデルだといえますから、値下がりとなっていないのかもしれません。
ただ、同じ時代のルミノールベース、PAM00055は現在40万円台前半という水準で2018年と比較して値下がりしている様子があります。
55番とこの61番は同じ時代のモデルであり、どちらも2001年が最終品番となっています。
これら世代のパネライは、評価される傾向が多いともいえますが、このチタンに関しては、61番は若干の値上がり、55番は値下がりというように、そこまで目立った評価とはなっていないともいえます。
その理由として考えられるのは、61番と55番のデビュー時期が2000年だからということかもしれません。
40mmブレスレットなどだと2000年デビューでも“今のパネライと異なる”という要素を感じるのに対し、44mmとなると2000年デビューは「新しい」という印象があるのかもしれません。
PAM00061と同世代のSSモデルはPAM00001ですが、1番は97年から存在し、2000年以前の時代ではPVDがありました。
そして、PVDモデルやトリチウムのSSなどが評価されているのに対し、2000年に登場したチタンはやや新しいモデルという印象があり、そこまでの評価とはなっていないのだと感じます。
もちろん、この時代のチタンにはタバコ文字盤など評価されるポイントはありますが、PAM00069のように目立って高くなっていないのは、44mmにおいて最もレアなのがトリチウムやPVDという文化があるからだと思います。