老舗マニュファクチュールであるジャガールクルトは、雲上ブランドにも数々のムーブメント供給実績があります。
雲上ブランドに対してムーブメント供給実績のあるブランドはあまり多くありませんが、JLCは特に供給実績が飛び抜けて多いといえるでしょう。
そういったことから、JLCは腕時計ブランドとしては稀有な要素を持ち、いつ評価されても不思議でない存在だといえるかと思います。
しかし、現在に至るまでJLCが『世界中で大人気』となるようなことにはなっていないのです。
それどころか、ここ1年ほどにおけるJLCの値動きは安定しない様子。そのモデルの相場全体からして、極端に安い個体が出たり、反対に高い個体が出るということもあります。
そのため、相場を読むのが難しいのですが、少なくとも目立った値上がりとはなっていないといえるでしょう。
さて、そんなJLCの中でもいくつかのモデルにおいては、かろうじて相場を捉えることができるのですが、このレベルソデュオの270.8.54もその一つだといえます。
レベルソデュオには、このステンレスの他にYGやPGがありますが、特にステンレスの革ベルトは、比較的わかりやすい値動きをする傾向があると感じます。
では、その値動きはどのような様子なのかというと、2017年8月から現在にかけて約6万円ほどの値上がり傾向。
2017年に40万円台で購入可能だったのが、現在では50万円台となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値(楽天) |
2019年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ジャガールクルト
レベルソデュオ 革ベルト 270.8.54 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥497,880 | ¥558,000 | 60,120 | 112.08% |
このレベルソデュオにはブレスレット版も存在しますが、それらは270.8.54という同じリファレンスのため、相場を見るときはストラップにも注意しなければなりません。
ちなみに、現在のブレスレットモデルは約59万円という水準となっています。
レベルソデュオは、ケースが回転するというレベルソならではの特徴を活かし、ひっくり返した先に第ニの時刻を表示できるという粋な仕掛けを持ったGMT時計です。
このような仕掛けをもったGMT時計はなく、このコンプリケーション的な内容は時計好きとしてはぐっとくるポイントだと思います。
そういった機構や定価の観点から、かつては中古相場がGMTマスター2より高かったレベルソデュオですが、最近はPGやYGを比較対象としてもSSのGMTマスター2のほうが高い様子となっています。
そのため、このレベルソデュオは、
という内容で、相対的に安く買うことができる、お得感のある存在だといえます。