2017年から目立って値動きしているノーチラス。
当初から目立って値動きしているのは5711/1Aですが、前モデルの3800/1Aも2018年からは、なかなか派手に上昇する様子が目立つようになってきています。
2017年までにおける、5711/1Aの主な価格帯は200万円台後半という水準だったのに対し、3800/1Aは100万円後半だったのですが、その価格帯でも3800/1Aは十分に高くなったと感じたのです。
その理由こそ、3800/1Aが現行だった時代において全く評価されていなかったということなのですが、2002年頃までにおける新品実勢価格は当時の税込価格で90万円程度だったのです。
今となっては、「ステンレスのノーチラスが90万円」とは驚きですが、それは新品価格であり、たまたま安い中古というわけではありません。つまり、欲しいと思ったら、誰もがオファーするだけで、ノーチラスの新品を90万円程度で手に入れることが可能だったわけです。
しかし、その時代において、ノーチラスはパテックフィリップにおける不人気モデルの筆頭格だったため、多くの人が「ノーチラスを買いたい」とは思っていませんでした。
そして、2005年頃からノーチラスは注目度が高くなり、相場が上昇気味へと変化。中古でも130万円程度となり、値上がり傾向となったのです。
リーマンショック後には値下がり傾向となりましたが、アベノミクス以降は再度上昇。2017年の年頭には190万円前後にまで達しました。
ですから、2017年における3800/1Aの相場は、その時点で過去最高値といえる様子だったといえ、かつての相場を考慮するともう十分高くなったと感じる水準だったのです。
しかし、2019年現在の今、3800/1Aが200万円以下ということについては、ずいぶん安いと感じてしまいます。
ノーチラスという存在は、今では「腕時計の王様」をデイトナと競うほどの存在感となっています。デイトナも、かつてはポールニューマンが数十万円で買えた時代がありました。しかし、評価されて以降は数十万円という評価に戻ることは今の所ありません。
つまり、ノーチラスという存在も、安く売られていたというのは全くもって過去のことであり、高くなったと思ってもさらに値上がりする可能性があるのです。
そして、そのとおり、この3800/1A白文字盤は、2018年1月には約248万円という水準にまで上昇。
白文字盤は、筆者としては3800/1Aの中で最も好きな色なのですが、相場としては3800/1Aの中で最も安い傾向がありました。
ですから、2018年1月の約248万円という水準は3800/1Aの中でも評価されていないほうの水準なのですが、それでも2016年までの水準と比較して、数十万円単位で上昇していました。
では、それから1年2ヶ月経った今、この3800/1A白文字盤はどのような値動きとなっているのかというと、なんと80万円以上も値上がりしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年1月 の安値(楽天) |
2019年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 3800/1A-011 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥2,487,000 | ¥3,300,480 | 813,480 | 132.71% |
この3800/1Aは、1982年にデビューしてから2005年頃までラインナップされていた長寿モデルであるため、年式による仕様違いがあります。
違うポイントは主に2箇所なのですが、その一つが文字盤のカレンダー部分です。
カレンダーには、3つの仕様があり、最も古いのは背景が「黒」。次に古いのは「明朝体」、最も新しいのは「ゴシック体」。もう一つは、ブレスレットのバックル部分で、新しいモデルでは観音タイプのダブルロック仕様となっています。
2018年1月の個体は、カレンダーがゴシック体のモデルで、この記事のモデルはカレンダーが明朝体のモデル。ロレックスだと年式によって相場か変化するということがありますが、ノーチラスの場合は年式による相場変化が目立たないため、当時のボトム価格であるこれらを比較対象としています。