2019年に入ってからというものの、1ヶ月単位で目立った値動きを繰り返し続けてきたGMTマスター2の116710BLNR。
1月には約132万円だったのが、2月には142万円へと変化。3月上旬には約155万円に到達したのです。
このような値動きの要因と考えられたのは、「生産終了」という噂ですが、そのとおりこの116710BLNRは生産終了となった模様です。
これまで、何度も生産終了の噂が流れたモデルはありますが、これほどまでに「生産終了」と騒がれ、相場までが上昇し、そのとおり生産終了になったのは稀だといえます。
ちなみに、サブマリーナの116610LVもこのBLNRが値動きすると、反応するかのように動く傾向があります。116610LVは、現在140万円台後半という様子で、3月と比較しても値動きしている様子ですが、そちらは生産終了とはなっておらず、今でも公式WEBサイトに掲載があります。
ただ、この「公式WEBサイトから消えた」ということについては、これが生産終了を示すとは判断できない面もあるため要注意だともいえます。
以前、ミルガウスの116400GVの黒文字盤は一時的に公式サイトから消えたため、生産終了と思われましたが、その後サイトに復活。結局生産終了ではありませんでした。
とはいえ、GMTマスター2の黒青ベゼルに関しては、今年2019年のバーゼルで後継モデルが登場しているため、116710BLNRは生産終了だと判断することができるかと思います。
さて、そんな116710BLNRは、2019年バーゼル後の今、さらに値動きし、その水準は160万円台後半に到達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年3月 の安値(楽天) |
2019年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター2 116710BLNR |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥1,557,360 | ¥1,674,000 | 116,640 | 107.49% |
116710BLNRは、2013年のデビュー時から、プレミア価格状態が当たり前という印象ですが、ついにプレミア価格状態のまま生産終了となったことになるのです。
いつの時代も“割高”と感じられる価格帯に位置していましたが、この時計は生産終了となったことにより、ついに160万円台という水準にまで到達しているのです。
なお、今回のバーゼルを境に多くの生産終了モデルが出た様子ですが、それらの多くは事実上のマイナーチェンジだといえます。
主な変更内容はムーブメントで、見た目がほぼ変わらないというモデルチェンジは、2000年頃だとリファレンス末尾に「M」が付く変化ということもありました。
ただ、2018年のディープシーと、2019年のヨットマスターなどはいずれもリファレンスが変更となったため、以前のモデルが生産終了という扱いとなるケースがあります。
特に、ディープシーのDブルー文字盤は、2018年のバーゼル後に目立って上昇。ただ、それから1年経った今ではその相場はすっかり落ち着いて、昨年比では10万円単位の値下がりとなってしまっています。
つまり、事実上のマイナーチェンジにあたる変化は、それ以前のモデルがあまり評価されない傾向があるともいえるのです。
しかし、GMTマスター2の場合、ムーブメントが変更された新型には3連ブレスレットの用意がありません。
ですから、GMTマスター2の場合、新モデルと旧モデルとの差が大きく、他のモデルのモデルチェンジとは性質が異なるのです。
ここがロレックスのすごいところであり、人気が高いGMTマスター2への印象をまったく損なわないモデルチェンジを行ったと感じます。
これは、企業のマーケティングの観点でもとても勉強になる事例だといえるでしょう。