2019年の今において「パシャ38mm」という存在を知る人は少数派かもしれません。
ただ、人気がないというわけではなく、このモデルに対するファンは意外と多いようにも感じます。
パシャ38mmは、カルティエが2005年頃までにラインナップしていたパシャの上級モデルなのですが、2005年に後継モデルの42mmが登場したことにより生産終了となったと思われます。
もう15年近くも前にシリーズが終了となっているため、2019年の今となっては知る人が少ないのも仕方がないわけですが、時計自体はかなり魅力的であるため、“マニアックな時計の割にはファンが多い”という感覚があるのだと思います。
この時計の魅力はいくつかあるのですが、
という点が大きいかと思います。
パシャ38mmには多くのバリエーションがありますが、中古で目にする多くはジェンタのオリジナルデザインではありません。
ただ、それでも最初に登場したパシャ38mmはジェンタデザインだと言われており、ケースの形状はどのバリエーションでも基本的に変わりない印象です。
ですから、デザイン的にパシャ38mmはツボが抑えられていると感じます。
また、3針はジラールペルゴ、クロノグラフはフレデリックピゲベースのムーブメントとなっており、オーバーシーズの第一世代と同じ構成となってます。
そして、文字盤はギョーシェ仕様となっており、見た目からもわかりやすい高級感を感じます。
見る人によっては、ちょっとコテコテとも思われるかもしれませんが、このなんともいえない独特な魅力は、さすがジェンタの要素を持つ時計といえるかもしれません。
さて、そんなパシャ38mmという存在は、高級モデルですから、定価でも、過去の新品実勢価格の観点でも同世代の腕時計と比較して高い価格帯に位置したステンレスモデルです。
特にクロノグラフに関しては、定価(2000年代)は100万円以上であったり、新品実勢価格も16613青サブより高かったなど、なかなか高い印象があります。
そのため、腕時計が全体的に安かった2011年2月でも約36万円という中古相場であり、その当時もまた、青サブ16613と同じような中古水準だったのです。
しかし、2016年以降、このパシャ38mmクロノグラフは、値下がり傾向となり20万円台となったのです。
また、2017年12月には24万円程度となるなど、フレデリックピゲ搭載モデルとしてはびっくりするぐらい安い水準となりました。
それが、2019年4月の今、パシャ38mmクロノグラフは回復傾向となり、2016年1月以来、約3年ぶりに30万円台という水準になったのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2019年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャ38mm クロノグラフ W31030H3 |
中古 | 1年 4ヶ月 |
¥248,400 | ¥300,240 | 51,840 | 120.87% |
フレデリックピゲベースのクロノグラフにおいて、かつて最安値水準だったのは、オメガのスピードマスターブロードアローの一部モデルですが、2017年からはパシャ38mmのほうが安い傾向となっています。
ただ、今回パシャ38mmが30万円台に回復したため、フレデリックピゲ最安値水準から脱したかと思ったのですが、実はオメガのブロードアローも全体的に値上がり傾向が目立ち、かつて安かったオリンピックモデルもパシャより高い水準となっています。
いずれにしても、フレデリックピゲベースのモデルは全体的に上昇したため、現在20万円台では購入できない状況となった模様です。