2017年の常識では、3針より安かったコンプリケーションの5712/1A。
キャラクターや定価の観点では、3針よりも高級なバージョンに違いないのですが、2017年に5711/1Aが目立って高くなった際に、5712/1Aは3針より安値となったため、『人気の弱い高級モデル』という印象にもなったかと思います。
本来上級のモデルが、それより下のモデルより安値となることは珍しくなく、特にデイトナのコンビモデルは“安いデイトナ”として有名です。
コンプリケーションである5712の印象が、デイトナコンビほどになったかは不明ですが、2017年において、この5712/1Aは「人気でないほうのSSブレスレット現行青文字盤」というキャラクターに違いありませんでした。
しかし、2018年6月になると5711/1A青文字盤と5712/1Aは同水準となり、9月にはきちんとコンプリケーションのほうが高い中古相場となったのです。
その後は“3針に対する逆襲”とも取れる値動きとなり、2018年11月には約618万円にまで上昇。また、2019年1月には約689万円となり、約2ヶ月という間で70万円以上の上昇となったのです。
そして、その1月から3ヶ月後の今、この5712/1Aは約734万円となっており、ついに700万円台という水準にまで達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年1月 の安値(楽天) |
2019年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 5712/1A-001 |
中古 | 0年 3ヶ月 |
¥6,890,400 | ¥7,344,000 | 453,600 | 106.58% |
5712/1Aは、2019年1月において、2ヶ月で70万円以上の値動きとなっていましたが、それから3ヶ月後の今、さらに45万円ほどの上昇となっているのです。
2019年に入ってから、この5712/1Aはかなり値動きが目立っているといえますが、ロレックス緑サブやBLNRなど、2019年に入ってから派手な値動きとなっている現行モデルが多数あります。
GMTマスター2のBLNRは「生産終了」という要素が高値の要因として大きいと感じますが、この5712/1Aや緑サブには「生産終了」という要素はありません。
これらモデルは、そういった大きなニュースが無いにもかかわらず、2019年において、かなり目立って値動きとなっており、2018年とはずいぶん異なる価格帯となっているのです。
ちなみに、2017年においてこの5712/1Aより高かった5711/1A青文字盤は、現在600万円台前半という様子で、価格帯でも値動き的にもこの5712/1Aよりも目立っていないといえる状況です。