2007年に派手に登場したミルガウスですが、今となっては地味なキャラクターとなっています。
ミルガウスという存在は、GMTマスターと同じぐらい歴史のあるモデルですが、1019の生産終了とともにシリーズが廃止となりました。
90年頃において、生産終了となるぐらい人気がなかったミルガウスですが、90年代後半頃からは「幻のモデル」というような感覚で、かなり高い中古相場となったのです。
当時の中古相場は、デイトナの4桁モデルとほぼ同様で、いずれもかなり高いという印象がありました。
そして、その印象は2000年代になっても衰えることはなく、シリーズが終了しているにもかかわらず、ミルガウスという時計の知名度はかなりあったのです。
そのような経緯があったため、2007年において、ミルガウスが復活した際は、今のGMTマスター2の青赤ジュビリー以上に話題となっていたように感じます。
そのため、デビューした2007年において、ミルガウスの新品実勢価格は100万円以上というプレミア価格となり、特に116400GVは150万円以上の価格帯となっていました。
しかし、その翌年リーマンショックが発生するとミルガウスは一気に安くなってしまいました。
116400GVは、2008年6月に約158万円という新品実勢価格(5社平均)だったのが、12月には約65万円(新品実勢価格、5社平均)にまで下落。半年で約93万円ほど値下がりしたのです。
また、アベノミクス時において多くのロレックスが上昇した際でも、ミルガウスは大きな変化とはならず、2017年の段階でも、116400GVの中古が50万円台中盤、116400黒文字盤が50万円台前半という水準にとどまっており、リーマンショック後の中古相場と比較して、値動きした額が10万円前後という状況だったのです。
しかし2018年からは、ミルガウスは全体的に値動きし、116400GVの中古は70万円台、116400は60万円台にまで上昇。116400GVは、やっとリーマンショック後の新品実勢価格以上の中古水準となったのです。
さて、そのように2018年に値動きしたミルガウスですから、その後も順調に上昇し、今ではリーマンショック以前の状況近くにまで回復したのか、と思いきや、なんとこの1年ほどあまり値動きしていない模様です。
116400の黒文字盤は、2018年と比較して上昇しているものの、“1年で2万円ほど”という値動きにとどまっており、他のロレックスと比較すると「ほぼ値動きしていない」という印象にすら感じてしまいます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年4月 の安値(楽天) |
2019年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ミルガウス 黒文字盤 116400 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥615,600 | ¥636,120 | 20,520 | 103.33% |
2007年に登場したミルガウスは、
という強い要素を含んでおり、ロレックスがかなり力を入れていたと感じます。
しかし、そのデビュー時の期待感とは逆に、今となっては影が薄いモデルとなっており、人気がある印象もありません。
デビュー時のインパクトや、その後の稀有な値動き、また、ロレックスの力の入れ具合など、ミルガウスには様々な面白い要素があります。
けれども、同世代の他のスポーツロレックスと比較するとあまり目立った値動きとはなっておらず、結局2019年の今においても、目立って値動きする傾向がないのは寂しいとも感じます。