ラジオミールが高級なシリーズだった時代、その主力モデルとして存在したのがこのPAM00062とPAM00103です。
当時のラジオミールには、上記の他にも様々なモデルがありますが、そのほとんどは限定モデルでした。ただ、「限定」といっても、“通常モデルとの差がわずか”というようなモノではなく、デットストックムーブメント搭載といったように、「高級」で「希少性が高い」という内容だったのです。
つまり、2000年代前半において、ラジオミールという存在は、かなり特別なパネライであり、その印象はパテックフィリップ並に高価だったのです。
しかし、2004年に登場したブラックシールを皮切りに、2005年からラジオミールはルミノールと同じ内容へと変化。今では、高級な時代のラジオミールを知る人は少ないと思います。
ただ、これだけ目立った内容であるため、高級時代のラジオミールは一定の評価を得ており、特に2016年頃において目立って評価されていた印象でした。
それが、2017年夏頃からは、やや値下がり傾向となり、その評価は落ち着いた状態となりました。
そして、そのような状況は2019年現在でも変わらず、このホワイトゴールドのPAM00062は、2017年7月より6万円ほど安く買える状況となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年7月 の安値(楽天) |
2019年4月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00062 |
中古 | 1年 9ヶ月 |
¥1,246,000 | ¥1,180,000 | -66,000 | 94.70% |
この62番に搭載されているムーブメントはゼニスエリートであるのですが、当時のパネライの上級モデルには、ゼニス製が搭載される傾向があり、それらモデルのみが裏スケ仕様となっていた印象です。
2002年からは、ルミノールベースなど通常モデルも裏スケ化されましたが、その時代でもゼニスベースのラジオミールやルミノールクロノなどの裏スケは「ありがたみがある」という印象だったことを覚えています。
2005年頃にラジオミールの立ち位置が変化してから、既に15年近くの時が経過した今において、このPAM00062などのキャラクターの面白さは、説明されないと分かりにくいのかもしれません。
ただ、そういった過去の銘品は、ロレックスの4桁モデルなど評価されるモノも多いため、この時代のパネライは、今において、知る人ぞ知る選択なのかもしれません。
この文脈が多くの人に伝わらない限りは、目立って値動きするともないかもしれませんが、他のブランドと比べると相対的に安い価格帯で楽しめる今、この時代のパネライはコレクターにとっては面白い存在だといえるかもしれません。